山形県では、産業・企業活動の現場におけるICT利活用を加速するため、無料RPAツール「マクロマン」と伴走支援「RPA女子」を活用した企業向け実践講座を開催。地元中小企業が手を出しやすい環境づくりとともに、業務自動化の現場ノウハウを持ち帰ることで、RPA導入の“敷居”を下げる取組を実現しました。
山形県では、各産業分野において新たな需要開拓や人手不足が課題となっています。
そういった課題解消などのため、前々からICTを現場で利活用できる実践的人材の育成を行っていきたいと考えておりました。
県内企業では、業務の効率化や自動化への関心が高まっていましたが、「RPAはライセンス費用が高い」「導入や運用が難しそう」といった声も多く、実際の導入にはなかなか踏み切れない状況がありました。
一方で、行政としても「RPAは今後避けて通れないテーマ」であることを認識していました。
そのような中で、ライセンス費が完全無料のRPAツール『マクロマン』を知り、本庁内で検証を行ったところ、実用性・再現性の高さを確認できました。そこで、企業がRPAを“学びながら体験できる場”として、コクー株式会社の『RPA女子』に依頼し、講座を開催しました。
講座は、座学とハンズオンを組み合わせた実践形式で実施しました。
前半はテキストを使いながら、プログラミングの概要やRPAの基本を学ぶ座学。
後半は、実際に「マクロマン」を操作しながら、Excel操作やWeb操作の自動化スクリプトを構築しました。
操作に迷う参加者もいましたが、講師やサポートスタッフがすぐに画面を確認して個別にフォローし、最後まで全員がスクリプトを完成させることができました。
「RPAは高額でハードルが高い」というイメージを持つ企業が多かったのですが、実際に体験したことで「無料でもここまでできるのか」という驚きの声を多くいただきました。受講後には、「20分かかっていた作業が5分で完了した」という報告もあり、自社業務にも活かせる具体的なイメージを持っていただけたと感じています。
特に印象的だったのは、「RPAは専門知識がなくても始められる」という意識の変化が生まれた点です。
これが今後の活用拡大につながると考えています。
RPAの導入は、単にツールを覚えることが目的ではなく、業務そのものを見直すきっかけになると感じています。
無料で始められる「マクロマン」であれば、費用面のハードルを下げながら、スモールスタートで実践的に学ぶことが可能です。DXは一気に進めるものではなく、小さな成功体験を積み重ねることが大切。その第一歩として、今回のような講座形式は非常に有効だと思います。
機械製造業界 担当者様
RPAについては業務効率化ツールとして認識はしていました。ですが、他社製品のように、有償ライセンスのイメージが強く、手を出せずにいました。今回、「マクロマン」は無料で導入できるRPAツールであることを知り、社内での業務効率化の可能性を感じました。また、「マクロマン」についてはVBAに近い操作感で、VBAよりも直感的なスクリプト作成が可能だと感じました。本研修の受講後にマクロマンのスクリプトを作成し、20分程度かかっていた作業が、5分程度で出来るようになりました。
大手製造業界(販売企業) 担当者様
本研修の受講後に、社内でも「マクロマン」を使えるかもしれないと可能性を感じ、すぐにダウンロードしました。ダウンロード後は、研修で学んだ知識を元に基幹システムからデータを抽出する毎日の作業を自動化することができました。この作業自体は、時間を要するものではありませんがミスが出来ない作業でした。これをマクロマンで自動化することを可能にし、作業ミスを防ぐ事ができました。