職員の残業・属人化をどう減らす?鹿児島市役所のRPA導入事例から学ぶ業務効率化の進め方
目次
自治体業務では、住民対応や申請処理などの窓口業務に加え、その裏側で多くのバックヤード業務が発生しています。
たとえば、データ入力、システム間の照合、発送文書の印刷、差し替え対応、リスト作成などです。
一つひとつは定型的な作業でも、件数が増えると職員の負担は大きくなります。
「毎日残業が発生している」
「特定の職員にしか分からない作業がある」
「手作業が多く、ミスが起きないか不安」
「既存システムを簡単に改修できない」
このような課題を抱える自治体にとって、RPAは業務効率化の有効な選択肢の一つです。
本記事では、鹿児島市役所のRPA導入事例をもとに、自治体業務でRPAがどのように活用できるのか、導入前に整理すべきこと、残業や属人化を減らすための進め方を解説します。
この記事の監修者
コクー株式会社
マーケティング部
檜田詩菜
BtoB領域を中心に、SEO記事・ホワイトペーパー・メールマーケティングなどのコンテンツ企画制作に従事。また、「マクロマン」のスタイルガイド策定を担当。
この記事のポイント
自治体の業務効率化では、いきなり大規模なシステム改修を行うのではなく、日々発生している定型業務から見直すことが重要です。
鹿児島市役所では、入力作業や差し替え印刷といった人手に依存していた業務をRPAで自動化しました。これにより、作業時間の短縮だけでなく、ヒューマンエラーの防止や心理的負担の軽減、属人化の解消にもつながっています。
また、無料RPAツールを活用すれば、導入コストを抑えながらスモールスタートしやすくなります。
必要に応じて有償支援を組み合わせることで、スクリプト作成や運用定着の不安も軽減できます。
自治体業務で起こりやすい「残業」と「属人化」の課題
自治体の業務は、住民対応や各種申請の受付だけではありません。
窓口で受け付けた情報の入力、複数システムとの照合、帳票の出力、発送文書の確認など、裏側には多くの定型作業があります。
これらの業務は、次のような課題につながりやすい傾向があります。
- 作業件数が多く、通常業務の合間では処理しきれない
- 手作業が多く、入力ミスや確認漏れのリスクがある
- 特定の職員に作業が偏り、属人化しやすい
- システム改修が難しく、現場側で工夫するしかない
- 繁忙期に業務が集中し、残業が発生しやすい
特に自治体では、既存システムが外部委託されているケースもあり、現場の都合だけで簡単に仕様変更や運用変更ができないことがあります。
そのため、既存システムを大きく変えずに業務を効率化できる手段として、RPAが注目されています。
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鹿児島市役所が抱えていた業務課題

鹿児島市役所では、窓口業務とは別に、定型的なバックヤード業務が多く存在していました。
新しく異動してきた職員が毎日残業を余儀なくされていたことをきっかけに、業務負担の見直しが始まったそうです。
担当者が調べてみると、窓口対応だけでなく、裏側で発生する入力作業や印刷作業などが職員の負担になっていることが分かりました。
主な課題は、次の3つです。
1つ目|定型業務により毎日残業が発生していた
窓口対応を行いながら、バックヤードの作業も処理する必要があり、職員の負担が大きくなっていました。
2つ目|システム改修が難しい環境だった
対象となるシステムは市が直接運用しているものではなく、外部委託されていたため、簡単にカスタマイズや運用変更を行うことができませんでした。
3つ目|入力処理や差し替え印刷などが人手に依存していた
人が手作業で対応するため、作業時間がかかるだけでなく、ヒューマンエラーや属人化のリスクもありました。
RPAで自動化した業務① データ入力業務
鹿児島市役所では、窓口業務担当やバックヤード業務担当が行っていた入力作業を、RPAに置き換えました。
従来は、複数のシステムを照合しながら入力を行っており、煩雑で時間のかかる作業でした。
そこで、Excelデータ化の手順をマニュアル化し、RPAが一括入力を代替できるようにしたのです。
その結果、月400〜1,800件に及ぶ入力処理を短時間で完了できるようになりました。
入力作業をRPAに任せることで、職員は窓口対応の合間に処理を進められるようになり、他の照合作業などにも時間を充てられるようになっています。
データ入力業務は、RPAと相性のよい業務の一つです。
特に、次のような作業は自動化を検討しやすい領域です。
- 決まった画面に同じ形式のデータを入力する
- ExcelやCSVの情報をシステムへ転記する
- 複数システムを確認しながら入力する
- 件数が多く、手作業では時間がかかる
- 入力ミスを減らしたい
自治体業務では、住民情報や申請情報など、正確性が求められるデータを扱う場面が多くあります。
そのため、RPAによる自動化は単なる時短だけでなく、業務品質の安定化にもつながります。
RPAで自動化した業務② 差し替え印刷作業
鹿児島市役所では、住民への発送文書に関する差し替え印刷作業もRPAで自動化しました。
住所異動などにより、発送文書の差し替えが発生するケースがあります。
従来は、異動者リストを作成し、複数の職員に割り当てて、1件ずつ手作業で印刷処理を行っていました。
RPA導入後は、印刷処理を自動化することで、年間約400件の作業を効率的に対応できるようになりました。
特に7月初旬の短期間に集中発生する作業に対しても、職員が印刷業務に縛られず、他の業務に専念しやすくなっています。
この事例で注目したいのは、単に「印刷が早くなった」という点だけではありません。
手作業で行っていた処理を仕組み化したことで、特定の職員に依存せず、誰でも安定して業務を進められる体制が整った点も重要です。
RPA導入によって期待できる効果
鹿児島市役所の事例から分かるRPA導入の効果は、主に次の4つです。
1. 作業時間を削減できる
RPAは、繰り返し発生する定型作業を自動で処理できます。
データ入力や印刷処理のように、手順が決まっている業務であれば、職員が一つひとつ対応する時間を削減できます。
2. 職員が本来の業務に集中しやすくなる
RPAによって定型作業の負担が減ると、職員は確認業務や住民対応、判断が必要な業務に時間を使いやすくなります。
鹿児島市役所でも、入力処理を短時間で完了できるようになったことで、他の照合作業などに時間を充てられるようになっています。
3. ヒューマンエラーを防ぎやすくなる
手作業による入力や印刷は、どうしてもミスが発生する可能性があります。
件数が多い場合や繁忙期には、確認漏れや入力間違いのリスクも高まります。
RPAを活用すれば、決められた手順に沿って処理できるため、ヒューマンエラーの防止につながります。
鹿児島市役所の事例でも、入力作業に伴う心理的負担の軽減やヒューマンエラーの減少が紹介されています。
4. 属人化を解消しやすくなる
業務が特定の職員の経験や勘に依存していると、担当者が不在のときや異動したときに業務が止まりやすくなります。
RPA導入時には、業務手順を整理し、どの操作を自動化するかを明確にする必要があります。
このプロセス自体が、業務の見える化につながります。
「誰かが頑張って何とかしている業務」を、「仕組みで回る業務」に変えられる点は、自治体にとって大きなメリットです。
自治体がRPA導入前に整理しておきたいこと
RPAを導入する際は、ツールを入れる前に、まず
「どの業務を自動化するのか」
「どのような手順で作業しているのか」を整理することが大切です。
鹿児島市役所では、マクロマンを活用するにあたり、RPA女子が支援に入り、スクリプト作成に必要な情報を確認しながら準備を進めました。
具体的には、次のような内容を整理しています。
- 自動化したい業務の概要
- 現在の作業手順
- 画面遷移の流れ
- 操作画面のスクリーンショット
- 入力・クリックなどの操作ポイント
- 要素を特定するためのID情報
- マクロマンを動かすための専用PC環境
RPAは、人が行っているパソコン操作を自動化する仕組みです。
そのため、現場で実際にどの画面を開き、どの項目を確認し、どのような順番で操作しているのかを明確にする必要があります。一方で、日々の業務を担当している職員にとっては、普段当たり前に行っている作業ほど、手順を言語化するのが難しい場合もあります。
そこで鹿児島市役所では、RPA女子が支援に入ることで、業務内容の整理からスクリプト作成に必要な情報の洗い出しまでをスムーズに進めることができました。RPA女子のような支援サービスを活用することで、現場だけでは整理しきれない業務手順や自動化のポイントを明確にし、RPAの実装・運用につなげやすくなります。
業務手順が曖昧な状態では、RPAに任せる範囲を決めにくく、スクリプト作成にも時間がかかってしまいます。
そのため、導入前には次の観点で業務を洗い出すことが重要です。
- 毎日、毎週、毎月など定期的に発生しているか
- 作業手順がある程度決まっているか
- 件数が多く、手作業では負担が大きいか
- ミスが発生すると影響が大きいか
- 特定の職員に作業が偏っていないか
- 既存システムを改修せずに効率化したい業務か
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既存システムを変えにくい業務ほど、RPAが選択肢になる
自治体では、業務システムが外部委託されていたり、複数部署で共通利用されていたりすることがあります。
その場合、現場の一部の業務改善のためだけに、システムそのものを改修するのは簡単ではありません。
鹿児島市役所でも、当初は対象システムの運営先に相談していましたが、市が直接運用しているシステムではなかったため、簡単にカスタマイズや運用変更を行うことができませんでした。
そこで、既存システムを変更せずに効率化できる手段として、RPA導入を検討しています。
RPAは、人がパソコン上で行っている操作を自動化する仕組みです。
そのため、既存システムを大きく改修しなくても、画面操作や入力作業、出力処理などを効率化できる可能性があります。もちろん、すべての業務がRPAに適しているわけではありません。しかし、「システム改修までは難しいが、現場の作業負担を減らしたい」という場合、RPAは現実的な選択肢になり得ます。
無料RPAツールを活用するメリット
RPAというと、「導入コストが高そう」「ライセンス費用が負担になりそう」と感じる方もいるかもしれません。
その点、マクロマンは無料ではじめられる国産RPAツールです。
BASICプランは月額費用0円・初期費用0円で利用でき、基本開発・基本実行機能を使ってRPAを試すことができます。
さらに、無料ダウンロード・インストール後すぐに利用でき、有料プランを除けば契約期間の縛りもありません。
無料RPAツールを活用するメリットは、主に次の3つです。
1. コストを抑えてスモールスタートできる
RPA導入では、最初から大きな予算を確保するのが難しいケースもあります。
マクロマンのBASICプランは月額費用0円・初期費用0円のため、まずは一部の定型業務から試しやすい点が特長です。
2. 利用人数を気にせず展開しやすい
マクロマンは、利用可能OSに該当するPCであれば何台でも無料でインストールでき、1社あたりの利用者制限もありません。
自治体では、部署ごとに抱えている定型業務が異なります。
そのため、特定の部署だけでなく、複数部署でRPA活用を検討したい場合にも、利用人数を気にせず始めやすい点はメリットです。
3. 必要に応じて有償プランや支援を組み合わせられる
マクロマンには、無料のBASICプランに加え、STANDARD、PREMIUMの有償プランがあります。
STANDARDは月額5万円、PREMIUMは月額10万円で、上位機能やオンラインミーティング、開発相談チャット、初期開発支援などを利用できます。
RPAは、ツールを入れるだけで成果が出るものではありません。
自動化する業務の整理、操作手順の可視化、スクリプト作成、運用後の改善が必要です。
無料プランで小さく試しながら、スクリプト作成や運用定着に不安がある場合は、有償プランやRPA女子のような支援サービスを組み合わせることで、現場に合った形でRPAを活用しやすくなります。
RPAを定着させるには、ツールだけでなく支援体制も重要
RPAは、ツールを導入しただけで自動的に成果が出るわけではありません。
「どの業務を自動化するか」
「どのような手順で処理しているか」
「どこまでをRPAに任せるか」
「エラーが起きたときにどう対応するか」
こうした設計が必要です。
鹿児島市役所がマクロマンとRPA女子を選んだ理由として、対象システムをRPAで柔軟に動かせる点や、スポット訪問によるスクリプト作成支援を受けられる安心感が紹介されています。
特に、RPAのスクリプト作成に慣れていない場合、「自動化したい業務のイメージはあるが、どう作ればよいか分からない」という壁にぶつかりがちです。そのような場合、外部支援を活用することで、自社・自組織に合ったRPA活用の形が見えやすくなります。
また、一度スクリプトを作成すれば、他の業務にも応用・転用できるため、将来的な業務効率化の幅も広がります。
RPA導入は、ツール選びだけでなく、「使い続けられる体制づくり」まで含めて考えることが大切です。
自治体でRPAを活用しやすい業務例
鹿児島市役所の事例を踏まえると、自治体では次のような業務がRPA化の候補になります。
データ入力・転記業務
件数が多く、入力ルールが決まっている場合は、RPA化しやすい傾向があります。
システム間の照合作業
確認する項目や手順が決まっていれば、RPAで処理の一部を自動化できる可能性があります。
帳票・文書の出力業務
鹿児島市役所のように、差し替え印刷や対象者ごとの印刷処理が発生する場合にも活用できます。
リスト作成・データ加工業務
データ抽出や整形の手順が決まっていれば、RPAによる効率化を検討できます。
定期的な確認・チェック業務
ポイントは、「人の判断が必要な業務」ではなく、「人が毎回同じ手順で行っている業務」から探すことです。
RPA導入を進める5つのステップ
自治体でRPA導入を進める場合は、次の流れで検討するとスムーズです。
ステップ1:業務を棚卸しする
まずは、職員が日々行っている定型業務を洗い出します。
特に、残業の原因になっている業務、特定の職員に偏っている業務、件数が多い業務を優先的に確認しましょう。
ステップ2:RPA化しやすい業務を選ぶ
すべての業務を一度に自動化しようとすると、導入が重くなります。
まずは、手順が明確で、処理件数が多く、効果が見えやすい業務から始めるのがおすすめです。
ステップ3:操作手順を可視化する
RPAに任せるには、人がどのような手順で作業しているかを明確にする必要があります。
画面遷移のスクリーンショットや操作マニュアルを用意すると、スクリプト作成が進めやすくなります。
ステップ4:小さく試して効果を確認する
いきなり全業務へ展開するのではなく、一部の業務で試してみましょう。
処理時間、ミスの削減、職員の負担感などを確認し、改善しながら運用します。
ステップ5:他業務・他部署へ展開する
効果が確認できたら、他の業務や部署への展開を検討します。
鹿児島市役所でも、現在の活用に加え、電子申請との組み合わせや他業務への適用も有効だと考えられています。
まとめ|自治体の業務効率化は身近な定型業務の自動化から
自治体DXというと、大規模なシステム刷新や大きな予算が必要だと感じるかもしれません。しかし、実際には、日々の入力作業や印刷作業、確認作業など、身近な定型業務の見直しから始められるケースもあります。
鹿児島市役所では、窓口業務の裏側で発生していたデータ入力や差し替え印刷をRPAで自動化し、職員の負担軽減や業務効率化につなげています。
また、属人化していた作業を仕組み化することで、誰でも安定して業務を進められる体制づくりにもつながっています。
RPA導入で大切なのは、ツールを入れること自体ではありません。
「どの業務を自動化すれば、職員の負担が減るのか」
「どの作業を仕組み化すれば、属人化を防げるのか」
「どこに人の時間を戻すべきなのか」
を考えることです。
無料RPAツールを活用すれば、コストを抑えながら小さく始めることができます。
さらに、必要に応じてスクリプト作成や運用支援を組み合わせることで、RPAを現場に定着させやすくなります。
職員の残業や属人化を減らしたい自治体は、まずは身近な定型業務の棚卸しから始めてみてはいかがでしょうか。
よくある質問
Q. 自治体でRPAを導入すると、どのような業務を効率化できますか?
自治体では、データ入力、システム間の照合、帳票出力、印刷処理、リスト作成、定期的な確認作業などがRPA化の候補になります。特に、手順が決まっていて件数が多い業務は、自動化を検討しやすい領域です。
Q. RPAは既存システムを改修しなくても使えますか?
RPAは、人がパソコン上で行っている操作を自動化する仕組みです。
そのため、既存システムを大きく改修しなくても、画面操作や入力作業を効率化できる可能性があります。
鹿児島市役所でも、既存システムを変更せずに効率化できる手段としてRPA導入を検討しています。
Q. 無料RPAツールでも自治体業務に活用できますか?
無料RPAツールでも、定型的な入力作業や印刷作業などに活用できる場合があります。
マクロマンはツール利用料が無料で、利用人数に制限がなく、必要に応じて導入・運用・開発支援などの有償サポートを利用できます。
Q. RPA導入前には何を準備すればよいですか?
自動化したい業務の整理、操作手順の可視化、画面遷移のスクリーンショット取得、必要なID情報の整理などを行っておくと、スクリプト作成を進めやすくなります。
鹿児島市役所でも、これらを事前に準備したことで、スムーズにスクリプト作成を進められたと紹介されています。
Q. RPAを導入すれば、すぐに業務効率化できますか?
RPAは導入するだけで成果が出るものではありません。
自動化する業務の選定、手順の整理、スクリプト作成、運用後の改善が必要です。
ツールだけで進めるのが難しい場合は、スポット支援や運用支援を活用することで、現場に定着させやすくなります。
マクロマンで実現する業務改善
自治体業務の効率化を検討しているものの、
「どの業務から自動化すべきか分からない」
「無料RPAを試してみたいが、設定やスクリプト作成に不安がある」
「職員の残業や属人化を減らしたい」
という方は、無料RPAツール「マクロマン」と、必要に応じてサポートプランの活用をご検討ください。
マクロマンは、ツール利用料無料で始められる国産RPAツールです。
必要に応じて導入・開発・運用支援を組み合わせることで、コストを抑えながら現場に合った業務効率化を進められます。まずは、身近な定型業務の棚卸しから始めてみませんか。
無料でスタートできるRPAツール『マクロマン』 ご案内資料
この記事の監修者
コクー株式会社
マーケティング部
檜田詩菜
BtoB領域を中心に、SEO記事・ホワイトペーパー・メールマーケティングなどのコンテンツ企画制作に従事。また、「マクロマン」のスタイルガイド策定を担当。




