メールの送信をRPAで自動化しよう!リスクや具体的な業務アイデアもご紹介

目次

    定型業務を自動化するためのツールであるRPAは、メール送信工程の効率化にも適用可能です。一方で、リスクも伴います。場合によっては誤送信などの重大なミスにつながりかねません。
    この記事では、メール送信のRPA化をおすすめする理由や事例などのほか、メール送信をRPA化する際のリスクやそのほか役立つ情報を解説。自動化できるメールに関する業務アイデアも併せてご紹介します。

     

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    メールの送信作業にかかる時間

    ビジネスにおいて、メールの送受信対応は多くの部署において日々発生する業務です。請求書の送付であれば、一度で数十~数百件分の対応が発生することもあり、1件あたり3分ほどで終わる作業であっても全て完了するまでに数時間はかかってしまうでしょう。メール対応だけで一日の勤務時間の多くを費やすことも珍しくありません。

    メールでのやりとりに時間をとられると、その分、思考が必要なタスクやその人にしかできない他タスクにかける時間が減ってしまいます。また決まった日時に送信する必要があるメールの場合、メール送信自体にかかる時間は少なかったとしても、その作業に合わせて他の業務スケジュールを組まなくてはなりません。場合によっては、業務時間外の対応が発生し、工数にかかわらないストレスにつながる恐れもあります。

    メールの送信のRPA化をおすすめする理由

    メール送信をRPA化することにより得られるメリットはメール業務にかかる「工数の削減」だけではありません。ここでは、メール送信のRPA化をおすすめする理由を大きく2つにわけてご紹介します。

    ヒューマンエラーがなくなる

    従業員が手作業でメールを作成・送信する場合、「宛名の誤り」や「本文の誤字」などのヒューマンエラーが発生するリスクがあります。誤りがないか確認するにも神経を使うので、工数以上の疲労を伴い、処理件数が増えるほどさらにヒューマンエラーが発生する可能性が高まるでしょう。

    RPAは事前に設定した手順やルールに従って、業務を遂行してくれるツールです。正しいシナリオさえ作成できれば、ミスなくメールを作成・送信をできます。また人間と違って疲労を感じないので、大量の件数を処理しなくてはいけない場面でも正確かつ迅速に対応可能です。

    メールを使った施策を効率的に進められる

    「メルマガ配信」や「カスタマーサポートでの自動返信」など、メールを利用して顧客へのアプローチを行っている企業は多いです。しかし手作業で対応していると、工数や正確性に限度があるため、都合がつかずに予定していたタイミングでのメール送信が行えなかったり、宛先が漏れることで、施策効果が半減してしまう可能性があります。

    RPA化をすれば、従業員の忙しさにかかわらず、「設定したスケジュール」に「指定した顧客」へ宛てて漏れなくメールを送ることが可能です。

    RPAで自動化できるメールの送信業務例

    • 請求書、給与明細、納品データなどの送付
    • 日報の送付
    • 経費申請や打刻のリマインド

     

    一口に「メール送信業務」といっても、RPAによって自動化できるメールに関する業務はさまざまです。例えば、請求書、給与明細、納品データ、日報などの送信、そして経費申請や勤怠入力などのリマインドがあります。例に挙げた業務に共通するのは、月ごと、日ごとなど、決まったタイミングで送信する定型的なメールであること。本文や宛先がすべて一緒でなくても、どう変更するかをルール化できるのであれば自動化可能です。

    一方で、質問への臨機応変な回答など、本文の内容をその都度考える必要があるメール送信は自動化には向きません。メール送信に限らずRPAを使った業務の自動化を検討する際は、RPA化に向く業務・向かない業務をよく理解することが重要です。

    メールの送信をRPA化する手順

    実際にRPAでメール送信を自動化するための手順を4つのプロセスに分けてご紹介します。

    ここでは、Excelにあらかじ予め保存してある、送信したいメールの宛先、件名、本文をメールソフトにRPAが自動で入力して送信をするまでの工程イメージしています。

    自動化したいメールに関する作業工程を分解する

    RPAでシナリオを作成するには、業務を細分化して自動化できる粒度の手順に落とし込む必要があります。メール送信において発生するおおまかな作業の流れは以下の通りです。

     

    1. メールソフトを立ち上げる
    2. 宛先や件名、本文などが載っているExcelを立ち上げる
    3. Excelから宛先をコピーし、メールソフトの宛先欄へ張り付ける
    4. 同じ工程を件名、本文でも行う
    5. メールソフトの送信ボタンを押す

     

    業務内容によっては、上記工程にプラスしてCCやBCCの設定、ファイルの添付などの工程を追加していきます。また、RPAの自動化対象である定型業務だったとしても、一連のひとつのルールですべてを表せるわけではなく、必ず何らかの例外があるはずです。こうした例外を事前にしっかりと洗い出し、例外発生時の処理方法も決めておきましょう。

    RPAツール上でシナリオを作成する

    手順を可視化できたら、分解した内容をRPAにシナリオの形で入力・設定していきましょう。このシナリオ作成の工程は、「開発」とも呼びます。

    RPAは「A処理後にB処理を行う」といったルール化できる定型業務を自動化するものですが、「Cエラー発生時はD回避処理を行う」など、条件に応じた分岐の作成も可能です。通常の処理だけでなく、その例外も予想して処理方法を設定しておきましょう。

    この時、メール送信におけるすべての工程をRPA任せにするのではなく、最終チェックを人間が行っていれば、シナリオの誤りや、プロセス変更時のシナリオ更新漏れなどにより、RPAが意図しない動作を行った場合でも、送信前に気付けるでしょう。

    テスト運用を行う

    シナリオが想定通りに動くか確認するためのテスト運用を行います。ここで間違った設定をするとエラーで止まったり、意図しない内容のまま進んでしまうなどの問題が発生します。原因を追及しながらシナリオの修正を行っていきましょう。

    また、このタイミングでは取引先や社全体宛のメッセージの作成や、期限の短いメール対応などは避けましょう。万が一、不具合が生じてもリカバリーできる範囲でスモールスタートすると安心です。テスト用にアドレスを作成して使用してもよいでしょう。

    設計書を作成する

    シナリオが完成したら、シナリオに関する情報を開発者以外にもすぐに連携できるよう、設計書の形にまとめておきましょう。

    RPAは作成後も定期的なメンテナンスが必要です。アップデートによりメールソフトの仕様が変わったタイミングや、参照するExcelのシートの変更などにより動作手順が変わったタイミングで、シナリオを修正しなくてはいけません。開発者の異動や退職後も適切なメンテナンスを行うために、誰が見ても内容を理解できる簡潔な設計書の作成は欠かせません。

    ミスなく動くことが確認できたら実装する

    一通りの準備が完了したら、本格実装に入ります。ただし、テストで問題がなかったからといって、その後のすべてのケースで問題が発生しないとは限りません。特に顧客へ送るメールや個人情報を取り扱う場合などは、リスクも伴います。リスクについては以下で触れていきます。

    メールの送信をRPA化する際のリスク

    メールの送信をRPA化する際のリスク5つ

     

    メール送信をRPAにより自動化することは、工数削減などのメリットがある一方で、正しく運用できていない場合に起こるリスクがあります。また、RPAに限らず属人化によるリスクもあります。

    正しく運用できていない場合の処理停止や誤送信のリスク

    RPAは事前に作成したシナリオ通りに動作するため、以下のような場合にRPAが処理を停止したり、最悪の場合誤ったまま処理が完了した結果、誤送信につながるリスクがあります。

     

    • シナリオが誤っている場合
    • シナリオ作成者と実際の操作担当者が違う場合に、それぞれのパソコンのスペックやwi-fi環境の違うことを配慮してシナリオを作成していない場合
    • メールソフトやファイルの仕様変更により必要となるシナリオへの反映がされていない場合
    • シナリオ作成時から、業務手順やファイルの変更が発生してもシナリオに反映していない場合

    メールの用途はさまざまです。顧客宛てのものもあれば社内宛てのもの、自身へのリマインドなどあり、重要度もさまざま考えられます。

     

    そのなかで、個人情報や機密情報を取り扱うようなケースやミスが許されないメール送信をRPA化する場合、リスクヘッジとして、メールの送信ボタンを押すまでを一括でRPA化せずに、メールの下書き保存までをRPA化し、そのあとに人の目視を入れたうえで送信ボタンを押す等で回避することも回避策のひとつです。

    保守・運用が属人化するとブラックボックス化の恐れがある

    RPAの管理者が限られている状況では、その管理者が異動や退職すると、どの業務がRPA化されていたか分からなくなるリスクがあります。最悪の場合、RPAが稼働し続けても誰も気づかず放置される可能性もあります。

    この状況では、我々が知らない間にRPAが業務を処理し続けていると、情報漏洩や誤ったデータ処理などの問題が発生する恐れがあります。したがって、限られた人材でRPAを運用する場合でも、定期的なチェックと運用の見直しは欠かせません。未知のまま放置されることは、予期せぬリスクを引き起こす可能性が高まります。

    特にメール関連の業務では、過去に送信したメールがわからなくなることで、宛先の相手に迷惑をかけたり誤送信や未送信が発生する可能性もあります。

    このような事態を防ぐためにも、シナリオ作成時は、必ず並行して設計書などに
    「どのような目的でどのコマンド(ロボット)を使って開発したのか」をまとめて、引継ぎ時には必ず共有するようにしましょう。開発者以外の従業員も開発について把握できる体制をつくることで、ブラックボックス化を回避できます。

     

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    RPAで自動化できるメールに関するその他の業務アイデア

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    RPAによる自動化は、メールの「送信」以外の業務にも利用可能です。ここでは送信以外で、メールに関わる業務効率化のアイデアをご紹介します。

    記載内容のデータ抽出

    RPAを活用すれば、メール本文からデータを抽出し、テキストにまとめる作業も自動化できます。例えばECサイトの発注メールであれば、本文から注文商品、個数、合計金額、お客様情報をテキストデータとして抽出できます。データ抽出にとどまらず、基幹システム用のファイルへ変換し、Excelに出力するところまでをRPAで自動化することで、業務全体の効率化につながるでしょう。

    添付ファイルの保存

    送付されてきたメールの添付ファイルを指定の保存先フォルダに保存する作業もRPAで自動化可能です。ファイルをどのフォルダに保存するかは、送信元やメールの受信フォルダをもとに判断し、必要に応じてフォルダの自動作成もできます。

    添付ファイルの名前変更

    RPAは送付されてきたメールの添付ファイルを保存するだけでなく、同時にファイル名を規定のものに変更することもできます。例えば、毎月顧客から送られてくる発注書を自社で管理しやすいようナンバリングしている場合など、一定の規則に沿った名前付けであれば自動化できます。

    添付ファイルのPDF変換

    RPAはWordやExcelとして送られてきたファイルをPDFに自動変換することもできます。発注書や請求書などPDFに変換する必要がある作業を自動化できれば、ファイルを一つずつ開いて保存し直す手間の削減につながるでしょう。

     

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    添付ファイルの圧縮・解凍

    RPAを使えば、送信時に添付するファイルの圧縮や送付されてきたメールの添付ファイルの解凍も行うことができます。パスワード付きの圧縮フォルダも解凍可能なので、添付ファイルの保存と合わせれば、解凍からフォルダ保存までの一連の作業を自動化できるでしょう。

     

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    例えば、A社、B社、C社各の担当者へメールを送信する場合、送信先のアドレスと本文、件名を入れて下書き保存するまでの一連の業務を自動化してくれます。単発であれば、手作業でも大きな工数はかかりませんが、定期的に何十件、何百件もの対応が発生する場合は自動化が便利でしょう。

     

    そのほか、メールの送信だけでなく、添付ファイルのダウンロードや記載内容の抽出およびシステムへの入力、添付ファイルの名前変更やPDF化など、様々な業務をマクロマンで自動化できる可能性があります。

    マクロマン」はツール自体を無料で提供しており、RPAの導入を支援するために操作方法のヘルプデスクや初回のRPA開発の代行等を行うサポート「マクロマン導入支援パック」を月額4万円でご提供しています。

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    まとめ

    ビジネスの場のコミュニケーションツールとして大きな割合を占めるメール。定期的に発生するメール送信業務をRPAで自動化することは、工数を大幅に削減するだけでなく、ヒューマンエラーの削減にも貢献します。さらにはメールの送信だけでなく、本文記載内容の抽出や添付ファイルの解凍、保存、名前の変更なども自動化可能です。

    ただし、RPAによるメール関連業務の自動化には一部リスクもあります。誤ったシナリオの作成やメンテナンス不足、運用のブラックボックス化などにより、予期せぬトラブルを生まないためにも、事前にリスクを理解したうえで、それを防ぐ運用体制を整えていきましょう。

     

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    この記事の監修者

    コクー株式会社 RPA事業部 エバンジェリスト 吉田 将太

    コクー株式会社

    RPA事業部 エバンジェリスト

    吉田 将太

    RPA事業部の立ち上げとして、営業・RPA開発・研修講師を経て、2023年1月にエバンジェリスト着任。
    RPAやRPA以外の技術を使って業務効率化を目的にした様々な開発に携わる。この経験から300名以上の研修講師を務める。