定型業務とは?非定形業務との違いや自動化できるツールをご紹介

目次

    手順が決まっていて誰でも同じ成果を出せる「定型業務」は、社内に数多く存在します。この定型業務を自動化できれば、社内全体の業務効率や生産性が向上し、解放されたリソースは重要度の高い非定型業務へ割り当てることが可能です。

     

    定型業務の自動化を行う際は、業務のリストアップや社内周知を丁寧に推し進めていく必要があります。本記事では、ホワイトカラーにおける定型業務と非定型業務の違いや、定型業務を自動化する方法5つのご紹介と併せ自動化におすすめのツールなどをご紹介します。

     

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    定型業務とは

    定型業務とは、手順があらかじめ決まっている業務のことです。読み方は「ていけいぎょうむ」です。「ルーティーンワーク」とも言い換えられます。定型業務は手順通りに進めていけば誰でも同じ結果が出るのが特徴であり、場面ごとに人間の柔軟な判断が求められることはありません。

    例えば以下のようなものが一例として挙げられます。

     

    • システムから特定のファイルをダウンロードし、PDFに変換してメールに添付のうえ送付
    • データを集計し、その結果をレポート化
    • 複数ある競合のサイトを巡回し、各新着商品の情報をExcelにまとめる
    • 反社チェックのために特定の名前や会社名をネット検索し、その結果をExcelにまとめる
    • 顧客管理システムの情報を他のツールにコピペする
    • 請求データと入金データの照合
    • 在庫データと実在庫の照合  など

     

    これらのような、マニュアルが用意されていれば誰でも容易にこなすことができます。このような業務を定型業務と呼びます。
    ※人間の判断とは・・・過去の経験などをもとに都度判断をすることをここでは指しています。

     

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    非定型業務とは

    非定型業務とは、処理手順が決まっていない業務のことです。マニュアルが用意されていれば誰でも同じ成果を出せる定型業務とは異なり、人間の判断を必要とするため、同じ業務であっても取り組む人によって成果は大きく変化します。

     

    例えば以下のようなものが一例として挙げられます。

     

    • 電話での問い合わせ対応
    • 会議や顧客への提案資料作成
    • 商品やサービスの企画や戦略立案
    • デザイン
    • システムの要件定義
    • 新入社員や部下の教育

     

    人によって判断のプロセスが異なるため、マニュアル化が難しく、ロボットで代替できないのが非定型業務の特徴です。知識やスキルに成果が左右されやすく、業務品質にばらつきが生じやすい性質を持ちます。

    定型業務と非定型業務の判断ポイント

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    定型業務を判断するポイントは、作業に人間の判断を必要とするか、作業手順が決まっていてフロー・マニュアル化が容易か、発生するタイミングが決まっているかの3点です。常に同じタイミングで発生し、同じ手順でこなすことができ、人間の判断が不要な作業は、定型業務と判断できます。

     

    判断ポイント

    • 作業に人間の判断が不要か
    • 作業手順が決まっているか
    • 作業が発生するタイミングはあらかじめ予測できるか



    例えば、基幹システム上で自動的に作成される売上の週次レポートを、毎週必ず同じ時間に1部だけ印刷する業務は、定型業務に分類されるため、ロボットで代替が可能です。

    一方の非定型業務を判断するポイントは、作業のたびに異なる判断を必要とするか、決まった手順がないか、発生するタイミングを予測できないかの3点です。発生するタイミングと処理手順が決まっておらず、毎回人間の判断を求められる業務は非定型業務に分類されます。

     

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    定型業務の具体例

    定型業務の具体例6つ

    定型業務の具体例として、以下のようなものが挙げられます。

     

    • 請求書の作成
    • 経費や給与の精算・計算
    • 報告書や資料の作成
    • 在庫の管理
    • 売上の集計
    • コンテンツの公開
    • システムの状況チェック
    • データフォーマットの自動変換

     

    特に請求書の作成経費・給与計算在庫管理売上集計など、所定のシステムからデータを読み込むだけで自動的に処理が可能な業務は定型業務の代表的な例です。

     

    また、特定の期間におけるデータを抽出することで自動作成できる日報や月報、レポートなどの報告書や資料作成も、定型業務に当てはまります。


    その他、WebメディアやSNSなどのコンテンツ公開などを決まった時間に行う場合も、定型業務として自動化できるでしょう。システムが正常に稼働しているか、和暦→西暦などの既存データフォーマットの自動変換も定型業務の一種として処理可能です。

    定型業務は自動化しよう!自動化のメリット

    定型業務は必ずしも人間が工数と時間をかけて行う必要のないものも多くあります。そんな定型業務は、ITの技術で自動化してしまいましょう。

     

    定型業務を自動化すべき理由

     

    まず、定型業務を自動化できればその分、これまで作業をしていた担当者の手が空くことになります。これにより、発生するメリットは以下が挙げられます。

     

    • 労働時間の短縮
    • 作業量そのものを削減できる
    • 業務効率化のミッションをクリアし、その分を売上に直結するようなコアな業務にリソースを再配分できる
    • 「発生した残業代などをコストカット」「ストレスや、その作業のために特定の時間に出勤しなければならない」などからの解放で従業員満足度の向上
    • ヒューマンエラーを削減
    • 自動化をきっかけに業務を見直すことができる

     

    また、近年の働き方改革や労働人口の減少により、少ない人数で多くの業務をこなさなければならないことから、このような自動化のニーズが高まっています。

    定型業務を自動化する際の注意点

    定型業務を自動化する際は、社員の理解を得ながら進めることが大切です。また、ツールの導入時はコストがかかることを念頭に置いて、予算と機能のバランスを考慮し、自社に最適な方法を選定しましょう。

    社員の理解を得ながら進める

    定型業務を自動化するにあたって、従来の業務プロセスを見直し、大幅に運用が変更されることが想定されます。これまでの運用が変わることで最も影響を受けるのは現場で働く社員です。自動化のメリットや重要性を十分に得てから社内の変革を進めなければ、現場の反発に遭う場合もあります。

     

    まずは社内で自動化を推進する人を決めるのが良いでしょう。そしてその推進者が中心となって自動化の必要性と、自動化したことによる会社としてや社員にとってのメリットを丁寧に説明することで自動化に対してポジティブな印象を持ってもらい、現場全体を巻き込みながら施策を進めていくことが大切です。業務プロセスを見直す際は、現場の社員の意見も積極的に取り入れましょう。

    推進するにあたって、自動化に関する知識が必要になるケースもあります。社内に自動化に関する知見者がいない場合には、外部委託先に頼ることも手段のひとつです。

    ツールを導入する場合はコストがかかる

    定型業務の自動化方法として、自動化ツールの導入が挙げられます。ツールの導入にはコストがかかる場合が多いため、コストがかかっても費用対効果を得られるかの確認をしましょう。場合によっては人を雇った方が安い場合もあります。また、それらツールを習得するにも一定の工数がかかることを念頭に置きましょう。

    定型業務を自動化する方法

    定型業務を自動化する方法は、「マクロを導入する」「botを導入する」「RPAを導入する」「AIを導入する」「外注する」次の通りです。

     

    定型業務を自動化する方法

    マクロを導入する:Excel上での定型業務に最適

    マクロを導入すると、ExcelをはじめとしたMicrosoft製品の定型業務を自動化できます。Microsoft製品上で自動化したい業務の手順をあらかじめ記録しておき、その記録を呼び出すことで、複数の手順を一括で実行できるのがマクロの仕組みです。

    例えばExcel上で作成した100種類のブックの中から特定のデータを抽出して、新しいブックにグラフを作成するなどの使い方が可能です。

    マクロを扱うためには、VBAと呼ばれるプログラミング言語の知識を身につける必要があります。一方でExcelがパソコンに入っていれば費用がかからずに実行できることが利点です。

     

    botを導入する:チャットでの定型回答に最適

    botとは、事前に設定されたプログラムを自動的に実行するロボットのことです。

     

    botの中でも特に有名なのが、ユーザーからの問い合わせに自動的に回答する「チャットボット」です。事前に想定されるQ&Aをデータベースへ登録しておくと、ユーザーがチャットで投げ掛けた質問に対して、チャットボットが最適な回答をデータベースから検索し、最適な答えを自動的に返す仕組みです。

     

    botを上手く活用することで、問い合わせ業務の効率化が期待できます。

    RPAを導入する:あらゆるパソコン上の定型業務に最適

    RPAツールとは、マクロに似ており、事前に登録したシナリオに沿って、ロボットが自動的に業務を処理するソフトウェアのことです。マクロとの主な違いは、マクロはExcelをはじめとしたMaicrosoft Officeを中心とした自動化に最適で、RPAはそれらに限らず、パソコン上のあらゆるアプリケーションやシステム、インターネット上と対象範囲が広い点です。

    メールで受信した発注書の内容を自社の基幹システムに自動的に登録したり、システムに定期的にログインして新たな発注データをダウンロードしたり、定型メールの送信や、社員が申請した経費データの内容が合っているかのチェックと、さまざまなシステムをまたいだ定型業務の自動化に使用できます。

     

     

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    AIを導入する:思考を伴う定型業務・非定型業務に最適

    AIを導入することで、RPAだけでは実現が難しい「簡単な判断が必要な業務」の自動化が可能であり、非定型業務の自動化も可能になります。

    例えば受信したメールの内容を判断して自動的に優先度を設定したり、OCRにAIを組み込んでAIが手書き文字を判断したり、過去の在庫変動データを参照して最適な発注個数を予測したりする作業などに向いています。

    AIは頭脳労働を得意としているため、RPAと掛け合わせることでより自動化可能な作業が増えます。

     

    併せて読みたい! AIとRPAの違いについて紹介しています

    外注する

    自社で業務を処理するのではなく、外注を活用するのも方法のひとつです。外部の業者の力を借りることによって、実質的な自動化を実現できます。

    外注はプロのノウハウを持った専門業者に委託することになるため、自社に該当業務の十分なノウハウがない場合は、業務の効率化につながります。また、人件費を固定費から必要な時のみ外注を利用する変動費に切り替えられるため、コストの最適化も図れます。

     

    RPAで大幅に減らせる定型業務とは?

    定型業務は大量かつ繰り返し作業も多く、時間がかかる割には売上に直結しづらい作業も多いかと思います。これらはRPAによる自動化により、大幅に業務量を減らすことができます。

     

    RPAとはロボティクス・プロセス・オートメーションの略で、パソコン上の操作を自動化するソフトウェア

     

    このように、RPAは事前にRPAツールに普段の作業を覚えさせることで、以後はボタン1つで人の代わりに自動で処理をしてくれる技術です。覚えさせた通りに動くため、人間の作業では必ずといっていいほど発生するヒューマンエラーや、人によるクオリティのムラの予防ができることに加え、人間とは違って業務時間に限りはなく、365日24時間稼働できます。スケジュールタスク機能を使えば早朝や深夜など、実際には出社できない時間帯に稼働させるといった活用ができます。

     

    RPAで大幅に減らせる定型業務の具体例は、冒頭で挙げたこれら定型業務すべて対応できます。多くの業種、職種のオフィスワークで利用できます。

     

    • システムから特定のファイルをダウンロードし、PDFに変換してメールに添付のうえ送付
    • データを集計し、その結果をレポート化
    • 複数ある競合のサイトを巡回し、各新着商品の情報をExcelにまとめる
    • 反社チェックのために特定の名前や会社名をネット検索し、その結果をExcelにまとめる
    • 顧客管理システムの情報を他のツールにコピペする
    • 請求データと入金データの照合
    • 在庫データと実在庫の照合  など

     

    ここがポイント

    ポイントは「人の判断を要さない作業」のため、事前に作成するレポートや集計フォーマットなどは事前に決まっている必要があります。また、紙のものには対応できないためデータ化されたものが対象です。

     

    ここで挙げたのは一例です。こちらの記事で更に例を紹介しています。

     

    併せて読みたい! さらにRPAを知りたい場合はこちら

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    まとめ

    手順が決まっていてマニュアル化が容易な定型業務は、自動化することで業務効率の向上や生産性の向上につながります。ヒューマンエラーの削減によって業務品質の向上も実現できるため、積極的に自動化に取り組むことをおすすめします。

    定型業務を自動化する際は、社内の業務をひと通り洗い出した上で、定型業務と非定型業務を分類し、自動化できる業務を明らかにしましょう。その上で、現場を巻き込んで自動化の方法を検討することが求められます。

     

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    この記事の監修者

    RPA事業部 エバンジェリスト

    コクー株式会社

    RPA事業部 エバンジェリスト

    吉田 将太

    RPA事業部の立ち上げとして、営業・RPA開発・研修講師を経て、2023年1月にエバンジェリスト着任。
    RPAやRPA以外の技術を使って業務効率化を目的にした様々な開発に携わる。この経験から300名以上の研修講師を務める。