RPAの使い道とは?RPA化の具体例やできることを徹底解説

目次

    RPAは、手順の決まった定型的な作業を得意とするロボット(ソフトウェア)です。あらかじめ指定したルールに則って、従来は人間が行っていた作業を手軽に自動化でき、現場の負担感軽減や生産性の向上に貢献します。

     

    本記事では、そんなRPAができることや得意・苦手とすること、具体的な導入事例などについて解説します。

     

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    RPAとは

    RPAとは、「Robotic Process Automation」の略称で、ロボットを活用して業務を自動化し、業務効率化や生産性の向上をはかるための技術です。主にホワイトカラーと呼ばれるデスクワークが中心の現場で活用されることが多く、これまで人の手で行っていたさまざまな作業を代替できます。

    人間の作業を代替する仮想的な知能を持つことから、「仮想知的労働者」と呼ばれることもあります。

    ただし、RPAはあくまでも事前に設定したルールに基づいて作業を行うものであり、AIのように自ら思考して判断を行う技術ではありません。RPAが得意なこと・苦手とすることを十分に理解して、適切な場面で活用することが大切です。

    RPAが得意なこと

    RPAは、手順が決まっている定型業務を得意としています。毎回の作業で手順に変化がなく、ルール通りに処理することで結果が出る作業は、RPAで代替可能であることが多いです。

    RPAで代替できる作業の例

    RPAで代替できる作業の例

     

    • 特定の時間になったら取引先のWebサイトにログインして、指定したファイルをダウンロード

    • メールで受信した発注書の内容をコピーし、受発注システムに転記

    • 毎月31日になったらその月の売上を集計し、レポートを作成

    • 休職している社員の勤怠入力を自動で行い、確定作業まで完了

    • Excelにまとめている商品の売上個数を参照し、ECサイトの在庫情報を更新

    • Web上の申込フォームから送信された情報を自社の基幹システムに転記・登録

     

    RPAは複数の定型的な作業を組み合わせて、一連のプロセスにすることもできます。アイデア次第でさまざまな作業を自動化し、業務効率化や生産性の向上につなげられるでしょう。

     

    [併せて読みたい]そもそも定型業務とは?について解説しています。

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    RPAが苦手なこと

    RPAは定型的な作業を得意としている一方で、場合によって手順が変わるような、柔軟な判断を必要とする作業は苦手です。

    RPAで代替できない作業の例

    RPAで代替できない作業の例

     

    • 人によって筆跡が異なる手書き文字を正確に判定する

    • 決められた条件ではなく、人間の判断が必要な作業

     

     

    そのほかRPAで代替できない作業の例を、「RPAに向いていない業務一覧」として以下記事で紹介しております。

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    RPAを業務に導入しよう!業種別の活用シーンをまとめて紹介

    RPAに向いている業務と向いていない業務、そして業種別の活用シーンを詳しく解説します。業務委託(アウトソース)で導入するという選択肢もご紹介するので、ぜひRPA導入を検討する際の参考にしてください。

     

    ただし、近年ではAIが発展しており、AIと組み合わせることで複雑性の高い処理に対応できる場面も増えてきています。たとえば「AI-OCR」の活用によって、複雑な手書き文字もかなり正確に判定できるようになるなど、従来よりも難しい判断を必要とする処理が可能になり、AIの活用幅はさらに広がってきています。

    RPAで代替できることの具体例

    RPAが人間の代わりに代替できることの具体例として、勤怠管理データの処理やSNSの口コミ収集のほか、発注データの転記作業やレポート作成、価格リサーチなどがあります。

     

    RPAで代替できることの具体例

    ここでは、RPAでどのような業務を代替できるのかをご紹介します。

    勤怠管理データの処理

    RPAを活用することで、勤怠管理データの処理を自動化できます。社員一人ひとりの勤務時間の集計や、1か月間の残業時間のチェック、有給休暇の使用日数などをシステム上で簡単に記録できるため、経理担当者の負担を軽減できるでしょう。

     

    また、集計後のデータを活用して給与計算や振り込み処理、支払明細書の作成も自動化できるため、細かなチェック作業が不要になります。各作業の処理時間が大幅に削減されるだけでなく、ヒューマンエラーの防止にも効果的です。

     

    これまで経理担当者が手動で行っていた作業を機械に任せられるので、ヒューマンエラーの削減も期待できます。

    SNSの口コミ収集

    各種SNSに投稿される、自社製品への口コミ収集にも、RPAが役立ちます。ユーザーの口コミを集めたい場合、従来は自社の商品名や口コミサイトを検索しなければなりませんでした。

    しかしRPAを活用すれば、あらかじめ指定したルールに基づいて、SNSやサイト上の口コミを自動収集することが可能です。設定によっては収集した口コミをExcelファイルに転記して蓄積することもできます。集めた口コミは今後のマーケティング戦略に活かすなど、さまざまな使い方ができるでしょう。

    発注データの転記作業

    発注データの転記作業も、RPAの代表的な使い方のひとつです。メールで受信したExcelファイルの発注書から、RPAが自動的に発注内容を読み取り、自社の受発注システムに必要情報を入力します。

    作業を行う時間帯が決まっている場合は、時間を指定してRPAを実行させることも可能です。これにより社員が時間に縛られるストレスを解消できます。


    また、取引先が運用しているEDIシステムに定期的にログインし、発注データを自動的にダウンロードして受発注システムに登録する処理なども実現可能です。

    競合他社の価格リサーチ

    データ収集だけでなく、収集したデータの分析にRPAを活用する方法もあります。ある製品に関する競合他社の価格情報をインターネットで収集し、自社の販売価格と比較する作業は、すべて人の手で行うにはかなり時間がかかるでしょう。

    しかし、RPAを活用して競合他社の価格情報を自動収集し、Excelなどに自動的に転記させれば、最小限の手間で自社と競合他社との価格比較資料が完成します。

    事前に日付や曜日を指定しておけば、1週間や1か月に1度など、任意の周期で自動的に価格調査を行うことも可能です。

    レポート作成

    レポート作成も、RPAが得意とする作業のひとつです。Webサイトの閲覧者数や平均閲覧ページ数、商品の販売数、売上推移など、自社に蓄積されたさまざまなデータをもとにしたレポートの作成が可能です。広告媒体の測定結果などにもよく活用されています。


    手作業でレポートを作成する場合、蓄積したデータを誤りなく転記したうえで、各項目の入力やグラフの作成を行う必要があります。RPAを使用することで、このような手間のかかる作業から解放されるでしょう。

     

    [併せて読みたい]営業部や生産部、バックオフィス等でのRPA活用シーンを紹介しています。

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    RPAの導入事例

    業種・業態問わずRPAを導入する組織は増えており、近年では、企業だけでなく自治体などでも活用が広がっています。ここでは、業務効率化やコスト削減の観点から、RPAの具体的な導入事例を3つご紹介します。

    福岡県糸島市

    福岡県糸島市では、定型業務による職員の負担を軽減し、政策立案能力を発揮できる環境を醸成するためにRPAを導入しています。

     

    財務会計関連業務の一つである、指定のフォルダに保存されたExcelファイルから支払い内容を読み取り、財務会計システムに転記・登録して、出力された伝票を所定のフォルダに保存するという一連の作業を自動化しました。


    結果として、財務会計のほか、宛名管理、保育所委託費の支払い、実施計画などの業務において年間2,172時間の削減に成功し、その削減率は64%にも上っています。

     

    出典:総務省「自治体におけるRPA導入ガイドブック」

    大手インターネット広告代理店

    ある大手インターネット広告代理店では、インターネット広告のレポート作成業務や、APIが未公開の媒体からデータを取得するためのプログラム開発に工数がかかる点が課題となっていました。

    そこで、これらの課題を解決するためにRPAツールの「マクロマン」を導入し、レポート作成対象の広告媒体からデータをダウンロードして、Excelに転記する作業を自動化しています。

    対象の広告媒体は数百にも及ぶため、削減効果は大きく、結果的に下記の成果が得られました。

    ・データダウンロード作業:1ファイルあたり1分の削減
    ・Googleスプレッドシートへの転記作業:1回あたり40分の削減
    ・データ加工:1業務につき10分の削減

    「マクロマン」導入後の充実したサポート体制も、スムーズな運用開始につながった理由です。

    ※本事例は現在と製品仕様や導入条件が異なる為、同じ形での実装はできない可能性があります。 

     

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    サミー株式会社

    サミー株式会社では、「マクロマン」がリリースされる1年以上前から有料のRPAツールを導入していました。しかし、ライセンス費用などがネックとなって導入が思うように進んでおらず、より安価かつ大量導入できるRPAツールを探す必要に迫られていました。

    ライセンス費用が無料の「マクロマン」の導入によって、コストを懸念していた部署でもRPAの導入・活用が加速し、「自分もRPAツールを利用してみたい」と考える社員が増加。全国の支店でも業務効率化が促進されており、「マクロマン」を活用してさらに業務自動化を進めていこうという動きが強まっています。

     

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    まとめ

    定型的な作業を得意とするRPAは、データの転記作業や決まった時間のデータ処理など、さまざまな場面で人間が行っていた業務を代替してくれます。現場にうまく取り入れることで、業務効率化や生産性の向上だけでなく、社員の業務負担軽減にも役立つでしょう。

    RPAを導入するなら、ツール費用が無料の「マクロマン」をおすすめします。利用人数に制限はなく、無料期限や機能の制約もありません。

    デスクトップ型でオフラインでも使えるため、業種・業態を選ばずにRPAによる自動化を実現できます。「マクロマン」についてさらに詳しく知りたい方は、以下より資料請求いただけます。

     

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    この記事の監修者

    コクー株式会社 RPA事業部 エヴァンジェリスト 吉田 将太

    コクー株式会社

    RPA事業部 エヴァンジェリスト

    吉田 将太

    RPA事業部の立ち上げとして、営業・RPA開発・研修講師を経て、2023年1月にエヴァンジェリスト着任。
    RPAやRPA以外の技術を使って業務効率化を目的にした様々な開発に携わる。この経験から300名以上の研修講師を務める。