RPAで業務効率化できる企業の共通点とは?導入成功事例とあわせて紹介

RPAで業務効率化できる企業の共通点とは?導入成功事例とあわせて紹介
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目次

    人手不足が深刻化するなか、「RPAで業務効率化を進めたい」と考える企業が多くいます。

    一方で、「RPAで実際に何が効率化できるのか」「他社はどんな業務を自動化して、どれくらいの効果を出しているのか」「自社でも本当に成果が出るのか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。


    実は、RPAで業務効率化に成功している企業の取り組みを並べて見ていくと、業種や規模が違っても驚くほど似た「共通点」が浮かび上がってきます。

     

    成果を分けているのはツールの性能だけではなく、導入前の準備や進め方、運用の姿勢といった、どの企業でも真似できる部分なのです。


    この記事では、RPAで効率化できる業務を整理したうえで、基本機能を無料で使えるRPAツール「マクロマン」を導入して成果を上げた5社の事例を紹介し、そこから見えてくる成功企業の共通点を紐解いていきます。

    あわせて、RPA導入が失敗してしまう原因と、自社で業務効率化を始めるステップもお伝えしますので、自社の取り組みに置き換えながら読み進めていただければ幸いです。

    RPAで業務効率化できるとはどういうことか

    はじめに、RPAで業務効率化できるとはどういうことか、簡単におさらいしておきましょう。

     

    RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、

    人がパソコン上で行っている定型的な操作を、ソフトウェアロボットが代わりに実行する仕組みです。

     

    • マウスのクリック
    • キーボード入力
    • ファイルのダウンロードや保存
    • システムへのログイン

    といった「人がやっている操作」をそのまま再現できる点が、最大の特徴です。


    Excelのマクロや各システムの自動化機能と異なるのは、複数のアプリケーションをまたいで動ける点です。

    たとえば、Webサイトからデータをダウンロードし、Excelで加工して、基幹システムに入力するという一連の流れは、個別のツールの機能だけでは完結しません。RPAであれば、アプリケーションの垣根を越えて、業務の最初から最後までを通して自動化できます。


    そして、RPAによる業務効率化の効果は、単なる作業時間の短縮にとどまりません。

    • 決められた手順を正確に繰り返すため、転記ミスや入力漏れといったヒューマンエラーがなくなる

    • 特定の担当者しかできなかった業務をロボットに任せることで、属人化も解消される
    • 「毎日この作業をやらなければならない」というプレッシャーから担当者が解放され、心理的な負担が軽くなる

    という声が、導入企業から多く聞かれます。

     

    時間、品質、人、心理面という複数の側面から業務を改善できることが、RPAによる業務効率化の本質と言えるでしょう。

     

    RPAで効率化しやすい業務の4つの型

    では、具体的にどのような業務がRPAで効率化できるのでしょうか。

    導入企業の事例を見ていくと、効率化しやすい業務にはいくつかの「型」があることがわかります。代表的な4つの型を紹介します。

     

    RPAで効率化しやすい業務の4つの型

    データの転記(コピペ)・入力業務

    最も多くの企業で自動化されているのが、あるシステムやファイルから別のシステムへデータを書き写す転記(コピペ)・入力業務です。

     

    Excelの台帳から基幹システムへの入力、Webサイトに届いた顧客情報の顧客管理システムへの登録など、形を変えてあらゆる部署に存在します。手順がはっきりしていて判断を伴わないため、RPAが最も力を発揮しやすい領域です。

     

    転記(コピペ)は単純作業でありながらミスが許されないことが多く、自動化による精神的な負担の軽減効果も大きい業務と言えます。

    ファイルのダウンロード・アップロード業務

    取引先のWebサイトやEDI(電子データ交換)システムからデータをダウンロードし、所定のフォルダに保存することや、別のシステムにアップロードしたりする業務もRPAの得意分野です。

     

    毎日決まった時間に発生する定例作業が多く、件数がかさむと大きな時間を奪います。ロボットに任せれば、始業前に処理を終わらせておくといった運用も可能になります。

    帳票作成・印刷業務

    請求書や支払い報告書、納品書といった帳票を作成し、印刷する業務も自動化の対象になります。

     

    複数のファイルからデータを集計して所定のフォーマットに転記し、PDF化や印刷まで行うという一連の流れを、RPAは通しで実行できます。月末月初に集中しがちな経理まわりの帳票業務は、残業の原因になりやすいだけに、自動化の効果が実感されやすい領域です。

    システム間のデータ連携業務

    API連携の機能がないシステム同士を、人が手作業でつないでいるケースは少なくありません。

     

    在庫管理システムの数字をECサイトに反映する、ワークフローシステムの添付ファイルを別システムに移すといった業務です。システム改修には費用がかかるためあきらめていた連携も、RPAなら画面操作の再現というかたちで実現できます。

     

    「システム同士がつながらないから手作業」という業務に心当たりがあれば、RPAの有力な候補です。

    RPAによる業務効率化で得られる3つの効果

    効率化しやすい業務の型を押さえたところで、RPAを導入すると実際にどのような効果が得られるのかを整理しておきましょう。導入企業の声を集めると、効果は大きく3つに分けられます。

     

    ChatGPT Image 2026年7月9日 06_37_15

    作業時間の大幅な削減

    最もわかりやすい効果が、作業時間の削減です。

     

    例として、

    • 月間約40時間の削減
    • 2週間かかっていた業務の約3日への短縮
    • 年間約7,500時間の業務の10分の1への圧縮

    など、導入企業では具体的な数字となって成果が表れています。

     

    ロボットは深夜や始業前でも稼働できるため、人が出社したときには処理が終わっているという働き方の変化も生まれます。削減できた時間を売上に直結する業務や顧客対応に振り向けられることが、時間削減の本当の価値と言えるでしょう。

    ヒューマンエラーの防止と品質の安定

    2つ目の効果が、ミスの防止です。

     

    人が転記や入力を繰り返せば、どれだけ注意していても一定の確率でエラーは発生します。RPAは決められた手順を寸分違わず実行するため、転記(コピペ)ミス、入力漏れ、印刷のし忘れといったヒューマンエラーがなくなります。

     

    ミスが許されない業務ほど担当者のプレッシャーは大きいものですが、その緊張から解放されることで心理的負担が軽減されたという声は、導入企業に共通しています。

    属人化の解消と業務の標準化

    3つ目の効果が、属人化の解消です。

     

    特定の担当者しか手順を知らない業務は、その人の退職や休職で突然止まってしまうリスクを抱えています。RPAのシナリオとして業務手順を形にしておけば、誰が担当しても同じ品質で業務が回るようになります。

     

    シナリオを組む過程で業務手順が文書化されるため、業務の見える化と標準化が同時に進むという副次的な効果も見逃せません。

    RPAによる業務効率化の導入成功事例5社

    ここからは、無料でも使えるRPAツール「マクロマン」を導入し、実際に業務効率化を実現した5社の事例を紹介します。

     

    いずれも従業員50名前後までの規模の企業であり、「大企業でなければRPAの効果は出ない」というイメージを覆す内容です。各社がどんな課題を抱え、何を自動化し、どんな効果を得たのかという流れで見ていきましょう。

    京谷商会株式会社(高齢者向け配食サービス業):発注サイト操作と印刷処理を完全自動化

    高齢者向け配食サービスを手がける京谷商会株式会社(従業員50名未満)では、食材の発注業務が特定の担当者の手に依存し、属人化していることが課題でした。

     

    スプレッドシートやGASを活用してデータ処理の大半はすでに自動化されていたものの、

    • 発注サイトへの入力
    • Web画面でのボタン押下
    • 帳票の印刷

    といった「最後の手作業」だけが毎日残り続けていたのです。データは整っているのに最後の一手が自動化できない、「自動化しているのに、まだ忙しい」という静かなストレスを抱えていました。


    同社はRPAツール「マクロマン」を導入し、発注サイトへの入力からボタン押下、帳票の印刷処理までを自動化しました。卸業者ごとに発注サイトの仕様が異なるため自動化が難しい工程でしたが、実際の画面操作をそのまま代行するRPAの仕組みによって、GASでは対応できなかった部分までカバーできています。


    効果は以下の通りです。

    • 発注業務の作業時間の大幅な削減
    • 入力ミスや印刷漏れの防止
    • そしてパソコン操作に不慣れなスタッフの負担軽減

    という3点に表れました。スタッフは「印刷してもらう」のではなく「印刷済みの紙を取ってもらう」だけでよくなり、精神的な負担の軽減や業務の安定性向上も含めて、費用対効果は高いと評価されています。

     

    注目したいのは、同社が導入前に業務の棚卸しを行っていた点です。どの工程が自動化済みで、どこに手作業が残っているのかをあらかじめ整理していたため、導入が非常にスムーズに進みました。

    株式会社radiko(情報通信業)支払い報告書作成を2週間から約3日に短縮

    株式会社radiko(従業員50名以下)では、毎月約100の放送局に対する支払い依頼書の作成業務が大きな負担になっていました。

     

    当時はExcelで管理していましたが、計算方法が変更されることになり、さらに担当者の退職も重なって、管理が困難な状況に陥っていたのです。月末から月初にかけて、金額の計算から支払い依頼書の作成、送付までに約2週間を要していました。


    同社はRPAツール「マクロマン」と、そのサポートサービス「RPA女子」を活用し、広告配信数レポートのダウンロードと加工、支払い報告書への転記、データクレンジングといった一連の作業を自動化しました。RPA女子が自動化のための要件定義やシナリオの構築を対応しました。

    併せて広告売上の作成業務も自動化し、毎月のメール送付作業についてはRPA女子がGASを活用し柔軟に対応。目的に応じた手段としてRPAだけでない提案や、やりたいことに対して的確な提案が好評でした。

     

    当初は別のツールで検討していたものの、他部署やツールの改修が必要となり折り合いがつかず、その点をクリアできたことがマクロマンを選んだ決め手でした。


    自動化したことで、約2週間かかっていた業務が準備を含めて3日ほどで完了ました。削減された時間を他の業務に充てることができ、作業効率が大幅に向上しています。ヒューマンエラーがなくなったことで心理的な負担も軽減され、属人化の防止にもつながりました。

     

    RPAだけでない自動化全般に対応しています

     

    併せて読みたい! 株式会社radikoの事例

    有限会社鈴木鉄工所(製造業)EDI処理の自動化で月約40時間を削減

    製造業の有限会社鈴木鉄工所(従業員50名以下)では、取引先との見積算出やWeb発注システムであるEDIに関するルーティン作業が、日々の業務の負担となっていました。取引先からの見積依頼数が多く、慣れていない社員が作業をすると2時間以上かかることもあったといいます。


    同社は「マクロマン」を導入し、EDIからの見積依頼情報のダウンロード、同じ商品の過去の受注情報の取得、最高値と最安値の抽出といった、見積算出に必要な情報を揃える一連の処理を自動化しました。RPA化における要件定義やシナリオ作成は、マクロマンのパートナー企業である地元のデーリー東北新聞社が支援しています。

    費用を抑えて利用できることに加え、身近な地元企業が導入支援をしていると知ったことが、導入の後押しになりました。


    効果として、月間約40時間の時間削減を実現しました。現場からは「放っておいても作業が進んでいるのでかなり楽になった」「作業工数が減った」という声が上がり、空いた時間で他の業務に取り組めるようになっています。

     

    小さく始めて確実に成果を出すスモールスタートでDXの第一歩を踏み出した、中小製造業の好例と言えるでしょう。

     

    併せて読みたい! 有限会社鈴木鉄工所の事例

    株式会社NESESTYLE(EC小売業)在庫反映作業を20分から約5分に短縮

    ECサイトを運営する株式会社NESESTYLE(従業員50名以下)の課題は、在庫管理におけるシステム間の連携でした。

     

    倉庫管理システムであるWMSの在庫数を、Amazonや楽天と在庫連携している「GoQSystem」と、「welcart」で構築した自社サイトの両方に反映する必要がありましたが、これらのシステム同士は自動連携ができず、手動で調整するしかなかったのです。

     

    対策として検討したシステム開発には数十万円の費用がかかるため断念し、Excelを駆使しても早くて20分ほどかかる作業が毎回発生していました。


    同社はマクロマンを導入し、

    1. WMSと自社サイトからの在庫ファイルのダウンロード
    2. 品番ごとの照合と総在庫数の算出
    3. welcart書き出し用CSVへの転記
    4. welcartへのアップロード
    5. GoQSystem反映用のCSV変換とアップロード

    という5つのステップを自動化しました。簡単にすぐ導入できて、無料で使えるという点が選定の理由です。


    導入後は、5分ほど待っているだけで処理が完了し、常にどのサイトでも在庫数が一致している状態を保てるようになりました。誰が作業しても同じクオリティを保てるため、属人化の防止にもつながっています。

     

    また、自動化により削減できた時間で、売上に直結する業務や新商品の企画に専念できるようになり、ワークライフバランスを保てるようになったなど、時間削減以外のメリットも生まれています。

     

    併せて読みたい! 株式会社NESESTYLEの事例

    株式会社福祉医療共済会(保険代理業)年間約7,500時間の見積書作成を10分の1に

    保険代理業の株式会社福祉医療共済会(従業員50名以下)では、見積書の作成業務が膨大な時間を占めていました。

     

    1つの契約に対して複数の見積もりを提示するため、見積書の作成は年間15,000件ほどにのぼります。1件あたり30分ほどかかるため、年間で約7,500時間を費やしていた計算です。くわえて本作業は手入力だったため、ヒューマンエラーがつきものでした。


    同社はマクロマンとAI-OCR(AIによる文字認識)サービス「DX Suite」を連携させ、以下の流れをRPAで自動化しました。

    1. 見積書のアップロード

    2. AI-OCRによる読み取り結果のCSVダウンロード

    3. 必要情報のExcel見積書への貼り付け

    4. ファイルのリネーム

    5. ファイル保存

     

    RPAは初めてでどこまで自動化できるか不安だったため、まずは無料で始められるマクロマンを選び、独学で勉強するよりも「RPA女子を呼んでみよう」と気軽に要件定義やシナリオ作成の依頼をできたことが導入の決め手だったといいます。


    導入後は、見積書の作成が1件あたり3分程度になり、作業時間は10分の1程度にまで改善されました。ヒューマンエラーがなくなり、残業時間の短縮にもつながったことで、顧客への対応に時間を割けるようになっています。

     

    さらに、「RPA女子」から教わりながら自動化を進められたことや、RPAツール「マクロマン」の文言のわかりやすさから、のちに自分たちでもスクリプトを組めるようになり、現在は各営業所でも活用が広がっています。

     

    併せて読みたい! 株式会社福祉医療共済会の事例

    5社の事例から見えるRPAで業務効率化できる企業の共通点

    5社の事例から見えるRPAで業務効率化できる企業の共通点

     

    ここまで紹介した5社は、業種も自動化した業務もそれぞれ異なります。しかし、取り組み方を並べて見ていくと、RPAで業務効率化に成功する企業に共通する姿勢がはっきりと浮かび上がってきます。6つの共通点に整理してみましょう。

    導入前に業務の棚卸しができている

    1つ目の共通点は、自動化の前に業務の棚卸しを行っていることです。

     

    京谷商会は、どの工程が自動化済みで、どこに手作業が残っているのか、処理の流れはどんな順番なのかを導入前に整理していたため、導入が非常にスムーズに進みました。

     

    RPAのシナリオを組むには業務の手順を細かく書き出す必要があるため、棚卸しができている企業ほど、自動化の対象選びも開発も速く正確に進みます。

     

    「何を自動化すべきかわからない」という段階の企業は、まず自社の業務を書き出すところから始めると、成功企業と同じスタートラインに立てます。

    ルールが明確な定型業務から自動化している

    2つ目は、判断を伴わない、ルールが明確な定型業務を最初の対象に選んでいることです。

     

    radikoの支払い報告書作成、福祉医療共済会の見積書作成、NESESTYLEの在庫反映は、いずれも手順と入力データの形式が決まった繰り返し業務でした。

     

    RPAは決められた手順を正確に実行する仕組みなので、こうした業務を選べば確実に効果が出ます。最初の対象選びで「RPAが得意な業務」を見極められるかどうかが、成果の出方を大きく左右するのです。

    スモールスタートで成功体験を作っている

    3つ目は、小さく始めて成功体験を積み重ねていることです。

     

    鈴木鉄工所は、無理のない範囲の業務から自動化を始めるスモールスタートでDXの第一歩を踏み出し、月約40時間の削減という目に見える成果につなげました。

     

    福祉医療共済会も、どこまで自動化できるか不安だったからこそ、まず無料で始められるマクロマンを選んでいます。最初から大規模な自動化を狙うのではなく、確実に成果が出る業務で「RPAは使える」という実感を社内に作ることが、その後の展開を支える土台になります。

    現場の担当者が主体になっている

    4つ目は、業務をいちばん理解している現場の担当者が、自動化の主体になっていることです。

     

    福祉医療共済会では、マクロマンのサポート「RPA女子」に教わりながら進められたことで、のちに担当者自身がスクリプトを組めるようになる手応えを得ており、現在は各営業所でも活用されています。

     

    radikoでも、業務を担う部署の担当者が「やりたいこと」をサポートに伝え、それに対する的確な提案を受けながら自動化を進めました。RPAはIT部門だけのものではなく、現場が「この作業をなくしたい」という実感を持って取り組むほど、業務に合った自動化が実現します。

    時間削減だけでなく属人化の解消を狙っている

    5つ目は、自動化の目的を作業時間の削減だけに置かず、属人化の解消やミスの防止まで見据えていることです。radikoは担当者の退職をきっかけに管理が困難になった業務を自動化し、属人化を解消しました。

     

    NESESTYLEも、誰が作業しても同じクオリティを保てる状態を実現しています。

     

    京谷商会では、パソコン操作に不慣れなスタッフでも対応できる運用体制が実現しています。

     

    「人が辞めたら回らなくなる業務をなくす」という視点を持つ企業は、RPAの価値を最大限に引き出せています。

    ツール任せにせず外部のサポートを活用している

    6つ目は、ツールを導入して終わりにせず、外部のサポートをうまく活用していることです。

     

    radikoと福祉医療共済会は、コクー株式会社の「RPA女子」による併走サポートを受けながら自動化を進め、的確な提案やレクチャーが成果と内製化につながりました。

     

    鈴木鉄工所は、マクロマンのパートナー企業であるデーリー東北新聞社の導入支援を活用しています。

     

    RPAの要件定義やスクリプト作成は、最初は専門家の力を借りた方が早く確実です。自社で抱え込まずに頼れるところは頼るという割り切りが、結果的に社内へのノウハウ蓄積を早めています。

     

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    逆にRPA導入が失敗してしまう原因

    共通点の裏返しとして、RPA導入が失敗してしまう企業のパターンも見えてきます。導入を検討する際には、つまずきやすいポイントをあらかじめ知っておくことが、遠回りを避ける近道になります。

    代表的な4つの原因を確認しておきましょう。

    業務を整理しないままツール導入が先行している

    最も多い失敗が、「とにかくRPAを入れよう」とツールの導入だけが先行してしまうケースです。

     

    どの業務にどれだけの時間がかかっているのかを把握しないまま導入すると、自動化の対象が決められず、ロボットが活用されないまま止まってしまいます。ツール選定の前に業務の棚卸しを行うという順番を守るだけで、この失敗の大半は避けられます。

    判断や例外が多い業務から始めてしまう

    RPAは決められた手順の実行が得意な一方で、人の判断を伴う業務や、例外処理がたびたび発生する業務は不得手です。最初の対象に複雑な業務を選んでしまうと、エラーが頻発して「RPAは使えない」という印象だけが社内に残ってしまいます。

     

    成功企業がルールの明確な定型業務から始めているのは、偶然ではありません。

    運用とメンテナンスの体制を考えていない

    RPAのシナリオは、業務フローの変更やシステムの画面変更に合わせて修正が必要になります。「一度作れば動き続ける」という前提で導入すると、いつの間にかロボットが止まり、そのまま放置されるという結末を迎えがちです。

     

    誰がシナリオを管理し、誰が修正を担当するのかを、導入時点で決めておくことが欠かせません。

    効果を測らず社内に広がらない

    自動化によってどれだけの時間が削減できたのかを測定していないと、社内への説明も次の投資判断もできず、取り組みが一部署で止まってしまいます。削減時間や処理件数を数字で示せれば、経営層の理解も他部署の協力も得やすくなります。

     

    福祉医療共済会でも、見積書作成の時間を10分の1にするという明確な成果を上げ、現在は各営業所でも活用されています。

     

    自社でRPAによる業務効率化を始める5つのステップ

    ここまでの内容を踏まえて、自社でRPAによる業務効率化を始める手順を5つのステップに整理します。成功企業の共通点を、そのまま実践の順番に置き換えたものとお考えください。

    1.業務の棚卸し

    最初のステップは、業務の棚卸しです。日々の業務を書き出し、それぞれにかかっている時間、発生頻度、担当者を整理します。このとき、といった特徴を持つ業務に印をつけておくと、次のステップが楽になります。

     

    • 毎日発生する
    • 手順が決まっている
    • 複数のシステムをまたぐ
    • ミスが許されない

     

    京谷商会のように、自動化済みの工程と手作業が残っている工程を分けて整理するのも効果的です。

    2.最初に自動化する業務の選定

    2番目のステップは、最初に自動化する業務の選定です。

    棚卸しの結果から、ルールが明確で判断を伴わず、削減効果が見込める業務をひとつ選びます。欲張って複数の業務に同時に手を付けるより、確実に成果が出るひとつの業務に絞る方が、結果的に展開は速くなります。

    3.ツールの選定と試験導入

    3番目のステップは、ツールの選定と試験導入です。

    RPAツールには有償・無償のさまざまな選択肢がありますが、最初の一歩では「無料で試せるか」「サポートを受けられるか」が重要な判断基準になります。

     

    マクロマンのように基本機能を無料で使えるRPAツールであれば、効果が出るかどうかわからない段階でも、費用を抑えて試すことができます。

    4.シナリオの作成と運用開始

    4番目のステップは、シナリオの作成と運用開始です。

    要件定義やスクリプト作成に不安があれば、外部の専門家の支援を受けることをおすすめします。

     

    福祉医療共済会のように、教わりながら進めるうちに自社でスクリプトを組めるようになれば、以降の自動化は内製で進められます。あわせて、シナリオの管理者と修正の担当者をこの時点で決めておきましょう。

     

    5.効果測定と横展開

    最後のステップは、効果測定と横展開です。削減できた時間やミスの減少を数字で記録し、社内に共有します。

    成果が見えれば、「うちの部署のあの業務も自動化できないか」という声が自然に上がるようになり、業務効率化の取り組みが社内に広がっていきます。

     

    半年に1回程度は対象業務の見直しを行い、自動化の範囲を少しずつ広げていくことが、効果を持続させるコツです。

    中小企業こそRPAで業務効率化を実現しやすい理由

    「RPAは大企業のもの」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、今回紹介した5社のうち4社は従業員50名以下、京谷商会も50名未満の企業です。むしろ中小企業こそ、RPAによる業務効率化の効果を実感しやすい面があります。

    理由1:一人あたりの業務幅が広い

    理由のひとつは、一人ひとりが担う業務の幅が広いことです。

    中小企業では、ひとりの担当者が経理も発注も顧客対応も兼ねているケースが珍しくありません。定型作業をRPAに任せられれば、その分の時間を売上に直結する業務に振り向けられます。

     

    NESESTYLEが削減した時間を新商品の企画に充てているように、少人数の組織ほど、生み出された時間の使い道がはっきりしているのです。

    理由2:属人化リスクが高い

    もうひとつの理由は、属人化のリスクが大きいことです。

    担当者がひとりしかいない業務は、その人の退職や休職で即座に止まってしまいます。

    radikoの事例のように、担当者の退職をきっかけに業務管理が困難になることは、規模の小さい組織ほど起こりやすい問題です。RPAで業務を自動化しておけば、人の入れ替わりに左右されない業務基盤を作れます。

    理由3:意思決定スピードが速い

    意思決定が速いことも中小企業の強みです。

    無料で始められるツールを選べば、稟議に時間をかけることなく「まず試してみる」ことができます。

    鈴木鉄工所のように地元のパートナーの支援を受けながらスモールスタートを切れば、専任のIT人材がいなくても、業務効率化の第一歩は十分に踏み出せるのです。

    まとめ

    RPAで業務効率化に成功している企業には、

    1. 導入前に業務の棚卸しをしている
    2. ルールが明確な定型業務から始めている
    3. スモールスタートで成功体験を作っている
    4. 現場の担当者が主体になっている
    5. 属人化の解消まで見据えている
    6. 外部のサポートをうまく活用している

    という共通点がありました。

     

    • radikoの2週間から約3日への短縮
    • 鈴木鉄工所の月約40時間削減
    • NESESTYLEの20分から約5分への短縮
    • 福祉医療共済会の年間約7,500時間の10分の1への圧縮
    • 京谷商会の発注・印刷業務の完全自動化

    これらはいずれもこうした取り組み方の積み重ねから生まれた成果です。


    裏を返せば、これらの共通点は特別な技術力や潤沢な予算がなくても実践できるものばかりです。

     

    業務を書き出し、確実に効果が出る定型業務をひとつ選び、小さく始めて数字で効果を確かめる。この順番を守れば、自社でもRPAによる業務効率化は十分に実現できるはずです。


    とはいえ、最初の一歩を自社だけで踏み出すのは不安が残るという方も多いでしょう。今回紹介した5社が導入したRPAツール「マクロマン」は、基本機能を無料で利用できることが特徴です。

    さらに、ヘルプデスクやベースのシナリオ作成支援といった伴走支援を受けられるプランもあり、支援を受けながら最終的には自社で運用できる状態を目指せるため、ツール任せにしない本質的な業務効率化につながります。

     

    自社の業務をどこまで効率化できるか知りたいと感じた方は、まずは身近な定型業務の棚卸しから始めてみてはいかがでしょうか。

     

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    この記事の監修者

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    コクー株式会社

    ノート編集部

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    MACROMANノートは、RPAをはじめ業務効率化に関する情報サイトです。RPAで毎日の業務効率化を後押しするメディアを目指しています。