RPA導入で最初に自動化すべき業務5選|失敗しない業務選定のポイント
目次
「RPAを導入して業務を効率化したいが、自社のどの業務を自動化すれば効果が出るのかわからない」
というお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
RPAという言葉は知っていても、いざ自社に当てはめようとすると、どの業務から手を付けるべきか判断に迷ってしまうものです。毎日の仕事のなかには細かな定型作業が無数にあり、その全体像を整理すること自体が難しいと感じている方もいらっしゃるはずです。
また、「過去にRPA導入で失敗した」「他社の失敗事例を見て不安になった」という声も少なくありません。
実は、RPA導入がうまくいかなかったケースの多くは
ツールの性能ではなく「最初にどの業務を選ぶか」という業務選定の段階でつまずいています。
裏を返せば、
RPAに向いた業務を最初の対象に選ぶことができれば、導入の成功率は大きく高まるということです。
この記事では、RPA導入で最初に自動化すべき業務を、効果が出やすい順に5つ厳選してご紹介します。
それぞれの業務について、実際にRPAを導入した企業の事例と削減時間の数字を添えてお伝えしますので、
「自社の業務でも本当に効果が出るのか」を具体的にイメージしながら読み進めていただけるはずです。
併せて、失敗しない業務選定のポイントと、スモールスタートの進め方についても解説します。
RPA導入の成否は「最初の業務選定」で決まる
RPAは、人がパソコン上で行っている定型作業をソフトウェアロボットが代行する仕組みです。
決められた手順を正確に、疲れることなく繰り返せるのがRPAの本質であり、
この特性に合った業務を選べるかどうかが、導入効果を大きく左右します。
RPA導入で苦い経験をした企業の話を聞くと、共通するパターンが見えてきます。
それは、
というものです。
RPAは手順が決まっている作業は得意ですが、
状況に応じた判断や、イレギュラーへの臨機応変な対応はできません。
向いていない業務から始めてしまうと、ロボットが頻繁に止まり、
「RPAは使えない」という印象だけが社内に残ってしまいます。
反対に、最初の業務選定がうまくいくと、
RPAの導入効果が数字ではっきり見えるため、社内の理解と協力を得やすくなります。
ある部署で業務時間の大幅な削減に成功したという評判が広がると、
他部署でも「自分たちの業務にも活用できないか」と関心が自然に高まっていきます。
最初のひとつの成功が、全社的な業務改善の起点となります。
だからこそ、RPA導入を検討する際は、ツール選びと同じくらい
あるいはそれ以上に「最初にどの業務を自動化するか」に時間をかけて考えることをおすすめします。
まずは、効果が出やすい業務に共通する条件から整理してみましょう。
RPAで効果が出やすい業務に共通する3つの条件
自動化の対象業務を選ぶ前に、「RPAに向いている業務とはどんな業務か」という判断基準を持っておくことが大切です。効果が出やすい業務には、大きく3つの共通点があります。

手順とルールが明確に決まっている
1つめの条件は、作業の手順とルールがはっきり決まっていることです。
「このシステムからデータをダウンロードし、この項目をこのファイルに転記し、完了したらこのフォルダに保存する」というように、手順を文章で書き出せる業務はRPAに向いています。
逆に、「ケースバイケースで対応している」「担当者の経験で判断している」業務は、そのままではRPA化が難しいと考えてください。
判断の余地が残っている業務でも、ルールを整理して明文化すれば自動化できる場合があります。ただし最初の1本目としては、すでにルールが明確になっている業務を選ぶ方が、つまずくリスクを抑えられます。
毎日・毎週・毎月など繰り返し発生する
2つめの条件は、その業務が定期的に繰り返し発生することです。
RPAのシナリオ作成には一定の工数がかかるため、年に1回かつ数件程度しか発生しない業務を自動化しても、投じた手間に見合う効果は得られません。毎日の受注処理、毎週のレポート作成、毎月の請求処理のように、繰り返し発生する業務ほど、自動化による累積の削減効果が大きくなります。
1回あたりの作業時間が短くても、頻度が高ければ自動化する価値は十分にあります。
1回10分の作業でも、毎日2回発生していれば年間では膨大な時間になり、
「毎日誰かがやらなければならない」という当番制の負担や心理的なプレッシャーから解放される効果も見逃せません。
扱うデータの形式が一定している
3つめの条件は、業務で扱うデータの形式が一定していることです。
RPAは画面上の決まった位置にある決まった形式のデータを読み取り、転記する仕組みなので、入力データの形式がそろっているほど安定して動作します。たとえば、毎回同じフォーマットのExcelファイルやCSVファイルを扱う業務、同じWebシステムの同じ画面を操作する業務は、RPAとの相性が抜群です。
一方、取引先ごとにレイアウトが異なる書類を読み取るような業務は、RPA単体では対応が難しい領域です。ただし近年は、AI-OCR(AIを活用した文字認識)と組み合わせることで、こうした業務も自動化の対象に入ってきています。
まずは形式が一定した業務から始め、慣れてきたら連携技術を使った応用に広げていくのが現実的な進め方です。
この3つの条件を頭に入れたうえで、ここからは「どの業界でも発生しやすく、かつ効果が出やすい業務」を5つ、実際の導入事例とともに見ていきましょう。
どの業界でも発生しやすく、RPAの効果が出やすい業務の事例5選
業務1 Excel・システム間のデータ転記(コピペ)
ひとつめは、Excelやシステム間でのデータ転記(コピペ)です。
- あるシステムの画面に表示された情報をExcelに写す
- Excelのデータをシステムの入力画面に打ち込む
- 複数のExcelファイルから1つの集計表に数字を集める
といった作業は、業界を問わずほぼすべての企業で発生しています。
転記作業は、コピーアンドペーストの繰り返しという単純作業でありながら、
集中力を要するため担当者の負担が大きく、ヒューマンエラーも起きやすい業務です。
これらは
-
手順とルールが明確
-
毎日あるいは毎月確実に発生する
-
扱うデータの形式も決まっている
という、先ほどの3条件をすべて満たす典型例と言えます。
実際の事例を見てみましょう。
事例:資料請求サイト・Excel間の転記をRPA「マクロマン」で自動化
広告代理業の株式会社ジーニーでは、以下の課題がありました。
業務内容と課題
資料請求サイトに登録された顧客情報をCRM/SFA「ちきゅう」(現GENIEE SFA/CRM)に転記する作業に、
1件あたり7分ほど、1日あたり最低でも1時間以上を費やしていた。
項目ごとにマウス操作でコピーアンドペーストを繰り返す単純作業で、
人的ミスの可能性もはらんでいたといいます。
💡RPAの効果
この転記作業をRPA「マクロマン」で自動化した結果、件数にかかわらず1回の作業が2分で完了。
作業時間は3分の1以下に短縮。
入力作業のプレッシャーから解放され、
本来注力すべきインサイドセールス業務に時間を使えるようになった。
事例:支払い依頼書の作成をRPA「マクロマン」で自動化
株式会社radikoの事例もご紹介します。同社では、以下の課題がありました。
業務内容と課題
毎月約100の放送局に対する支払い依頼書の作成業務が大きな負担に。
Excelで管理していたものの、計算方法の変更と担当者の退職が重なって管理が困難になり、
月末から月初にかけて金額計算と支払い依頼書の作成から送付までに約2週間を要していた。
💡RPAの効果
-
レポートのダウンロードから金額の算出
-
支払い報告書への転記
-
データクレンジング
までをRPA「マクロマン」で自動化したところ、現在では準備を含めて3日ほどで完了するようになった。
ヒューマンエラーがなくなり、担当者の心理的負担も軽減。
転記作業(コピペ)は「誰でもできる仕事」と見なされがちですが、心理的負担が大きい業務です。
だからこそ自動化したときの解放感は大きく、削減時間も数字で示しやすい業務です。
RPA導入の1本目として、まず自社の転記作業を洗い出してみることをおすすめします。
業務2 データのダウンロード・アップロードとレポート作成
2つめは、データの取得・加工・連携を伴う業務です。具体的には、
- システムからのデータダウンロード
- 所定フォーマットへの加工
- 別システムへのアップロード
- データを加工してレポート作成
などが挙げられます。
「毎朝システムにログインしてCSVをダウンロードする」
「ダウンロードしたデータを所定のフォーマットに加工して別のシステムに取り込む」
という一連の流れは、営業管理、マーケティング、経理など、部門を問わず数多く存在します。
この種の業務は、
ログイン→ダウンロード→ファイル変換→アップロードという手順は毎回同じ傾向があるため、
RPAのシナリオに落とし込みやすいのが特徴です。
また、毎日決まった時間に発生することも多く、
計画実行機能(タスクスケジューラー機能)と組み合わせれば、
始業前にロボットが処理を済ませておくという運用もできます。
事例:顧客情報のダウンロードとデータを加工してアップロードをRPAで自動化
事例をご紹介します。ある広告代理店では、以下の作業が毎日発生していました。
業務内容と課題
-
資料請求サイトから顧客情報のExcelファイルをダウンロードし
-
バックアップ用にCSV変換して保存
-
所定のフォーマットに書き換え
-
顧客管理システムにアップロードする
忙しいなか、この単純作業のために1日1時間ほどを割かなければならず、
ヒューマンエラーも発生しがちだったといいます。
💡RPAの効果
RPA「マクロマン」で自動化した結果、
この業務は1〜2分ほどで自動的に処理が完了するようになり、ヒューマンエラーもなくなりました。
事例:顧客情報のダウンロードとデータを加工してアップロードをRPAで自動化
レポート作成の領域でも活用が進んでいます。別の広告代理業の事例では以下課題がありました。
業務内容と課題
-
広告レポートのExcel集計
-
特定箇所の画面キャプチャの取得
-
パワーポイントへの貼り付け
上記工程を顧客ごとに繰り返す業務をRPAで自動化。
💡RPAの効果
集計と資料反映という、これまで人が時間をかけて行っていた一連の流れを
ロボットに任せられるようになった。
ダウンロードやアップロードの作業は、1回あたりの時間は短くても
「毎日必ず発生し、忘れると後工程に影響する」という性質があり、担当者にとって地味に重い負担になっています。
こうした業務を自動化すると、
時間削減に加えて「やり忘れの心配がなくなる」という安心感が得られる点も大きなメリットです。
業務3 請求書・見積書などの帳票処理
3つめは、請求書や見積書といった帳票まわりの処理です。
- 請求書の受け取りと振り分け
- 基幹システムへの登録
- 見積書の作成と発行
といった業務は、経理部門や営業部門で毎月確実に発生する業務であり
月末月初に作業が集中して残業の原因になりやすい領域でもあります。
帳票処理は金額を扱うためミスが許されず、担当者の心理的負担が大きい業務です。
その一方で、処理の手順自体は定型化されていることが多く、RPAによる自動化の効果がはっきり出やすい領域と言えます。
事例:請求処理業務をRPAで自動化
ある広告代理店では、以下業務が日々の業務を圧迫していました。
業務内容と課題
- 顧客からメールで届く請求書データを所定のフォルダに保存
- 顧客ごとに振り分け、支払い処理のために基幹システムへアップロード
という請求処理を、顧客数の分だけ繰り返していた。
そのため月末から月初にかけて経理担当者の残業が常態化し、顧客が増えるたびに担当者を増員して人件費がかさんでいた
💡RPAの効果
この業務をRPAで自動化したところ、2時間かかっていた作業が20分に短縮。
担当者の残業はゼロになり、増員していた人員の人件費も削減できた。
顧客数の増加に伴ってスクリプトの数が増えても、追加費用がかからない点も魅力でした。
事例:見積書作成業務をRPAで自動化
保険代理業の株式会社福祉医療共済会の例です。
業務内容と課題
同社では1つの契約に対して複数の見積もりを提示するため、年間15,000件ほどの見積書作成が発生。
1件あたり30分、年間で約7,500時間を費やしていた。手入力のためヒューマンエラーもつきものだった。
年間7,500時間という数字は、フルタイム数名分の労働時間に相当する規模です。
帳票処理は件数が多い企業ほど自動化のインパクトが大きくなるため、
「毎月の請求や見積もりに追われている」という実感がある場合、優先的に検討する価値があります。
業務4 メール送付・ファイルの振り分け
4つめは、定型的なメールの作成・送付と、ファイルの振り分けです。
決まった宛先に決まった件名でファイルを添付して送る、受け取ったファイルをルールに従ってフォルダに整理する、ファイル名を所定の規則で書き換えるといった作業は、一つひとつは小さくても、件数が積み重なると膨大な時間を奪っていきます。
メールやファイル操作は、パソコン業務の中でも特に「ついで仕事」として扱われがちで、業務量として認識されにくいのが厄介なところです。しかし、宛先・件名・添付ファイルのルールが決まっている定型メールであれば、RPAは人よりはるかに速く、宛先間違いや添付漏れもなく処理できます。
事例:データ変換と転送業務をRPAで自動化
ある携帯販売代理店の事例では、以下課題がありました。
業務内容と課題
取引先である一次代理店との
-
共有フォルダから更新が必要なファイルをピックアップ
-
ダウンロードして所定のフォルダに格納
-
Excelファイル名を書き換え
-
三次代理店宛てにメールを作成して送信する
という業務に、1回あたり100件にもおよぶ作業が発生していました。
携帯電話の新機種や新サービスが出るたびに業務過多となり、残業が課題でした。
💡RPAの効果
この一連の業務をRPA「マクロマン」で自動化した結果、
1回あたり5時間半以上かかっていた作業が30分に短縮され、残業はゼロになりました。
5時間半が30分になるというのは、1回の業務で半日以上が戻ってくる計算です。
データの精査からメール送信までの流れが完全にルール化されていたからこそ、ここまでの効果が出たと言えます。自社のメール業務を振り返ってみて、「毎回同じ手順で作っているメール」があれば、それは有力な自動化候補です。
また、ファイルの振り分けや保存についても、
-
メールに添付されて届くファイルを所定フォルダに保存する
-
ダウンロードしたファイルをリネームして整理する
といった作業は、多くの企業で日常的に発生しています。
こうした細かな作業の自動化は派手さこそありませんが、
確実に積み上がる削減効果と、やり忘れ・誤操作の防止という品質面の効果をあわせて期待できます。
業務5 受発注・在庫データの処理
5つめは、受発注業務や在庫データの処理です。
EDI(電子データ交換)やWeb受発注システムからの受注データの取り込み、見積もりの算出、複数の販売チャネル間での在庫数の反映といった業務は、製造業や小売業、EC事業者にとって日々の根幹となる作業です。
受発注や在庫の処理は、毎日確実に発生するうえ、
対応が遅れると納期や販売機会に直結するという特徴があります。
だからこそ担当者は常に時間に追われがちで、自動化によって得られる効果が業務面でも心理面でも大きい領域です。
事例:EDI処理をRPAで自動化
製造業の株式会社昭芝製作所では、以下課題がありました。
業務内容と課題
1日に数百件の受注情報をもとに一両日中までに納品しなければならない業務ですが、
且つ1日に何件の注文が来るか事前に想定ができるものではないため、担当者が1日に何度も
受注情報が掲載されるサイトを目視で巡回する必要がありました。
💡RPAの効果
- 受注情報のダウンロード
- CSV変換
- 自社システムへの取り込み
事例:EDI処理をRPAで自動化
つぎにEC事業を営む株式会社NESESTYLEの事例です。
業務内容と課題
同社では、倉庫管理システム(WMS)の在庫数を、Amazonや楽天などと在庫連携している「GoQSystem」と自社サイトの「welcart」の両方に反映する必要があった。
しかしシステム同士の自動連携ができず手作業で反映しており、早くても20分ほどかかっていた。
システム開発での解決では数十万円の費用がかかるため、断念していた。
💡RPAの効果
RPA「マクロマン」で自動化した結果、
5分ほど待っているだけで、常にどのサイトでも在庫数が一致している状態を保てるように。
さらに誰が作業しても同じクオリティになるため、属人化からの脱却ができた。
削減できた時間は、売り上げに直結する業務や新商品の企画に充てられている。
事例:見積算出やEDI処理をRPAで自動化
青森県にある有限会社鈴木鉄工所では、以下が課題になっていました。
業務内容と課題
取引先との見積算出やEDIに関するルーティン作業が日々の負担となっており、
慣れていない社員が作業すると2時間以上かかっていた。
💡RPAの効果
RPA「マクロマン」で、
-
EDIからの見積依頼情報のダウンロード
-
見積算出のもととなる過去の受注情報・最高値と最安値の取得
を自動化したことで、月間で約40時間の時間削減を実現。
「放っておいても作業が進んでいるのでかなり楽になった」という声が上がっている。
受発注・在庫処理の自動化は、単なる時間削減にとどまらず、
対応スピードの向上や品質の均一化を通じて、取引先や顧客からの信頼にもつながります。
基幹となる業務だからこそ、確実に動く定型部分から段階的に自動化していく価値があります。
失敗しない業務選定の4つのポイント
ここまで5つの業務を見てきましたが、実際に自社で対象業務を決める際には
もう一歩踏み込んだ選定の進め方を知っておくと安心です。
失敗しないためのポイントを4つに整理します。
現場へのヒアリングで業務を棚卸しする
まず取り組みたいのが、現場の担当者へのヒアリングを通じた業務の棚卸しです。
自動化すべき業務は、管理職の目線からは意外と見えていないものです。
「毎日どんな作業に時間を取られているか」「面倒だと感じている作業は何か」を現場に直接聞くと、転記やダウンロードといった定型作業が想像以上に多く埋もれていることに気づくはずです。
このとき、作業の頻度、1回あたりの所要時間、手順の明確さを一覧にまとめておくと、後の優先順位づけがスムーズになります。棚卸しの過程で属人化していた業務が見える化されるため、RPA化の準備と同時に業務整理が進むという副次的な効果も得られます。
「頻度×作業時間」で優先順位をつける
次に、洗い出した業務に優先順位をつけましょう。
基本の考え方
発生頻度×1回あたりの作業時間
で、年間の総作業時間が大きいものから検討すること。
毎日1時間の作業は、単純計算で年間240時間以上に相当するため、このような業務を自動化できれば効果は歴然です。
ただし、総時間だけで機械的に決めるのではなく
「ミスが起きたときの影響の大きさ」や「担当者の心理的負担」も加味することをおすすめします。
ここまで事例で見てきたとおり、RPAの効果は時間削減だけでなく
ヒューマンエラーの防止や精神的なプレッシャーからの解放としても表れるためです。
例外処理の少なさを確認する
要確認!
候補が絞れたら、その業務にどれだけ例外処理があるかを確認してください。
一見定型に見える業務でも、「この取引先だけは別対応」「この条件のときだけ担当者が判断する」といった
例外が多く含まれていると、シナリオが複雑になり、ロボットが止まる原因になります。
例外が多い業務は、
-
最初の対象から外す
-
例外部分を人が担当し定型部分だけをRPAに任せる
といったルールにしましょう。
全体の8割をロボットが処理し、残り2割の判断を人が行うという分担でも、効果は十分に得られます。
業務の一部だけの自動化も選択肢に入れる
最後のポイントは、業務の全てを自動化しようとしないことです。
お客様のオーダー情報は多岐にわたるためすべてをRPA化しているわけではありません。
それでも現場の負担は大きく軽減されています。
「この業務は途中に判断が入るから自動化できない」とあきらめるのではなく、
”業務を工程に分解し、定型的な工程だけを切り出して自動化する”
という発想を持つと、対象業務の幅は一気に広がります。
最初から完璧を目指さず、効果が出る部分から着実に進めることが、結果的に成功への近道になります。
RPA導入でよくある失敗パターン
業務選定のポイントとあわせて、先人たちがつまずいてきた典型的な失敗パターンも知っておきましょう。あらかじめ落とし穴の場所がわかっていれば、同じ轍を踏むことは避けられます。

難易度の高い業務から手を付けてしまう
最も多い失敗が、効果の大きさだけに目を奪われて、難易度の高い業務から着手してしまうパターンです。
判断が必要な業務や例外の多い業務は、シナリオ作成に時間がかかるうえ、運用開始後もエラーが頻発しがちです。最初の案件が長期化したり頻繁に止まったりすると、社内の期待はしぼみ、プロジェクト自体が立ち消えになりかねません。
最初の1本は、多少効果が小さくても「確実に動くもの」を選ぶのが鉄則です。
小さくても確実な成功が、次の案件への信頼貯金になります。
運用・メンテナンス体制を決めずに導入する
次に多いのが、シナリオを作って動かすところまでは順調だったものの、運用フェーズで止まってしまうパターンです。
RPAのシナリオは、業務フローの変更や、操作対象のシステムの画面変更に伴って、修正が必要になります。
誰がメンテナンスを担当するのかを決めないまま導入すると、最初のエラーが起きた時点でロボットが放置され、
いつの間にか使われなくなってしまいます。
導入の初期段階で、シナリオの管理担当者、変更時の修正フロー、トラブル時の相談先を決めておきましょう。
社内にノウハウがないうちは、外部のサポートを受けられる体制を確保しておくことも有効な選択肢です。
効果を測定せず社内に共有しない
意外と見落とされがちなのが、自動化の効果を測定せず、社内に共有しないまま運用を続けてしまうパターンです。
どれだけの時間が削減できたのか、ミスはどれだけ減ったのかという数字がなければ、経営層や他部署にRPAの価値が伝わらず、活動を広げる推進力が生まれません。
自動化の前に現状の作業時間を記録しておき、導入後の時間と比較して「2時間が20分になった」「残業がゼロになった」と具体的に示せるようにしておきましょう。
自社での定量的な実績値は、社内を動かす何よりの材料になります。
スモールスタートで成功体験を積む進め方
業務選定の考え方と失敗パターンを押さえたら、いよいよ導入の進め方です。
鍵となるのは、小さく始めて確実に成功体験を積み、段階的に広げていくスモールスタートのアプローチです。
まずは1つの業務に絞って試す
最初から複数の業務を並行して自動化しようとせず、まずは1つの業務に絞って取り組みましょう。
対象は、ここまでご紹介した5つの業務のうち、自社で最も身近なものが適しています。
なかでもExcelへの転記やデータのダウンロードといった業務は、手順がシンプルでシナリオを作りやすいため
最初の題材として最適です。
1つの業務で「作って、動かして、効果を確認する」という一連のサイクルを経験すると、
RPAで何ができて何が難しいのかという肌感覚が身につきます。
この経験こそが、2本目以降の業務選定の精度を高めてくれます。
無料で使えるツールで初期コストを抑える
スモールスタートの障壁になりやすいのが、ツールのライセンス費用です。
効果が出るかどうかわからない段階で大きな投資をするのは、社内の稟議を通すうえでもハードルが高いものです。そこで活用したいのが、無料で使えるRPAツールです。
実際、昭芝製作所では
「まずはやってみることができる無料のツール」という点が導入の決め手になり、
ダウンロードして開発を試したところ「コマンドを並べるだけで簡単に自動化できることが楽しく、感動した」という意見がありました。
福祉医療共済会でも、
RPAが初めてでどこまで自動化できるか不安だったため、無料で始められることが選定の理由になりました。
そのうえで独学で勉強するよりも「RPA女子」に気軽に依頼・相談しながら進めようということでRPAの操作に不安な方、アウトソースができるサポートサービス「RPA女子」を利用しました。
効果を数字で記録し社内に共有する
最初の業務が自動化できたら、削減できた時間とミスの減少を数字で記録し、社内に共有しましょう。
「1日1時間の転記作業が2分になった」という報告は、どんな説明資料よりも説得力があります。
効果が見えれば、現場からは次の自動化候補が寄せられるようになり、経営層からは展開への後押しが得られます。
このとき、削減時間だけでなく、「残業がなくなった」「心理的な負担が減った」「本来の業務に集中できるようになった」という定性的な変化もあわせて共有すると、RPAの価値がより立体的に伝わります。
成功体験をもとに対象業務を広げる
1つめの成功で得たノウハウと社内の信頼をもとに、2本目、3本目と対象業務を広げていきましょう。
このとき、最初に行った業務の棚卸しリストが優先順位づけの土台として活きてきます。
鈴木鉄工所のように、スモールスタートからEDI処理の自動化へと進み、
月40時間の削減を実現してDXの第一歩を踏み出した企業もあります。
展開の過程では、自社だけで抱え込まないことも大切です。
シナリオ作成の代行やレクチャーといった外部の支援をうまく活用すれば、社内人材の育成と業務の自動化を並行して進められます。
ご紹介した事例の多くも、要件定義やスクリプト作成の支援を受けながら、段階的に自動化の範囲を広げています。
まとめ
RPA導入で最初に自動化すべき業務として、Excel・システム間のデータ転記、データのダウンロード・アップロードとレポート作成、請求書・見積書などの帳票処理、メール送付・ファイルの振り分け、受発注・在庫データの処理という5つをご紹介しました。
いずれも、手順とルールが明確で、繰り返し発生し、データ形式が一定しているという、RPAで効果が出やすい条件を満たす業務です。
実際に、1件7分の転記が2分になった事例や、2時間の請求処理が20分になり残業がゼロになった事例、年間7,500時間の見積書作成が10分の1になった事例など、業務選定さえ適切であれば、RPAは確かな成果をもたらしてくれます。
RPA導入の成功率を高めたい場合は、まずは「Excelへの転記」のように、ルールが明確で毎月繰り返し発生する業務から始めてみましょう。
無料で試せるRPAツールを活用して初期コストを抑え、1つの業務で小さな成功体験を作ることが、社内にRPAを定着させる何よりの近道です。最初の一歩が小さくても、その積み重ねが、人手不足の解消や残業削減といった大きな成果につながっていきます。
コクー株式会社が提供する「マクロマン」は、基本機能を無料で使えるRPAツールです。
この記事でご紹介した事例は、いずれもマクロマンによる自動化の実例です。今すぐ無料ダウンロードして、自社の転記作業から試してみることができます。
ただし、RPAの活用には一定のITリテラシーが求められ、エラーが発生した際の対処に手間取ってしまうケースもあります。そうした不安がある場合には、ヘルプデスクやベースのスクリプト作成支援といった伴走支援を受けられるプランも用意されています。
スモールスタートの第一歩として、マクロマンを検討してみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者
コクー株式会社
ノート編集部
MACROMAN
MACROMANノートは、RPAをはじめ業務効率化に関する情報サイトです。RPAで毎日の業務効率化を後押しするメディアを目指しています。




