【2026年最新】医療機関のRPA導入ガイド|セキュリティ要件・選び方・病院の事例を解説
目次
病院などの医療機関でも、データ入力や帳票作成、システムからの情報抽出など、定型業務の自動化にRPAを活用できます。
一方で、医療機関では患者の個人情報や診療に関わる情報を扱う場面もあるため、RPAを導入する際にはセキュリティへの配慮が欠かせません。そのため、単にセキュリティ性能の高い製品を選べばよいというわけではありません。
重要なのは、「医療機関のセキュリティ要件を満たすRPA」を製品名だけで判断するのではなく、RPAそのものの機能に加えて、取り扱う医療情報、ネットワーク構成、外部通信、認証・権限、端末管理、保守・障害対応まで含め、自院のリスクに応じた運用ができる製品・構成を選ぶことです。
厚生労働省が2026年6月に公開した「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版」(以下「ガイドライン第7.0版」)でも、医療情報システムの安全管理はRPAツール単体ではなく、組織・人・技術・運用を含めた対策が求められています。
この記事では、上記ガイドライン第7.0版を踏まえながら、医療機関がRPAを導入する際に確認したいセキュリティ対策、RPAツールの比較ポイント、導入の進め方、実際の病院における活用事例まで解説します。
医療機関におけるRPAとは?
医療機関におけるRPAとは、病院やクリニックなどで行われているパソコン上の定型・反復作業を、ソフトウェアによって自動実行する仕組みです。
データの転記、CSVの出力、帳票作成、ファイル保存など、一定のルールで処理できる業務と相性が良いです。
RPAとAIは役割が異なる
RPAとAIは混同されがちですが、基本的な役割は異なります。
RPAが得意なのは、
- Aシステムを開く
- データを取得する
- Excelへ入力する
- 指定フォルダへ保存する
といった、ルールが決まっている作業です。ルールに忠実に処理をする特徴があります。また、古いシステムからExcelまで、さまざまなシステムやツール、Webブラウザを横断して自動化します。一方人間のように考えて判断するという事ができません。
一方、AIは文章、画像、音声などを解析したり、一定の判断を伴ったりする処理に向いています。AI自身が判断をするため、必ずしも指示通りになるとは限らないことと、RPAとは異なり、APIが実装されていない古いシステムの自動化はAIでは対応できない場合があります。
医療機関でRPAが注目される理由と導入メリット
医療機関には、データ入力や転記、帳票作成、システムからの情報抽出など、一定のルールに沿って繰り返し行うPC作業があります。こうした定型業務はRPAと相性がよく、人が行っていた作業をRPAで自動化することで、業務時間の削減だけでなく、作業ミスや属人化の抑制にもつなげられます。
また、病院では365日継続して発生する業務もあるため、1回あたり数分の作業でも、毎日繰り返されることで現場の負担になっている場合があります。こうした「小さいけれど継続的に発生する業務」を自動化できることも、医療機関でRPAを活用するメリットの一つです。
業務時間を削減できる
医療機関では、データ入力や転記、帳票作成など、一定の手順に沿って行う定型業務が日常的に発生します。こうした作業をRPAに任せることで、職員がPC操作に費やしていた時間を削減できます。
特に、複数のシステムを行き来しながらデータを転記するなど、手順は決まっているものの、人が対応することで一定の時間を取られている業務はRPAと相性がよい領域です。削減できた時間を、患者対応や判断・調整が必要な業務など、人が担うべき仕事に振り向けやすくなります。
ヒューマンエラーを防止
コピー&ペーストや数字の転記を大量に繰り返すと、入力漏れや転記ミスが発生する可能性があります。
RPAは設計された処理を繰り返すため、ルール通りに動作している限り、こうした人為的な作業ミスを抑える効果が期待できます。
ただし、間違ったシナリを作れば間違った処理を繰り返す点には注意が必要です。自動化後の検証まで含めて設計することが重要です。
365日発生する小さな業務を自動化できる
医療機関は病院によっては365日稼働します。RPAは実行環境を整えることで、夜間や休日を含めた自動実行も可能です。
たとえばシステムからのデータ抽出を毎朝人が実施しており、約5分の作業ながらも、365日稼働している職場のため、担当者の選定という手間も発生します。こういった作業もRPAではボタンひとつで処理が完了。仮に1回あたり5分の作業であっても、365日となれば1,825分(時間換算で30時間以上)が年間で短縮されます。
属人化を抑えられる
「この処理は○○さんしか分からない」という状態も医療機関の業務改善を妨げます。
RPAへ処理を移すためには業務手順を整理する必要があるため、これまで個人の頭の中にあった業務を可視化するきっかけにもなります。
医療従事者が本来の業務へ集中しやすくなる
RPAの目的は、「人を減らすこと」だけではありません。
短時間でも毎日必要になるPC操作を減らせれば、患者対応や専門性が必要な仕事など、人にしかできない業務へ時間を使いやすくなります。
医療機関のRPAは「マクロマン」
医療機関でRPAを活用しやすい業務
RPAと相性がよいのは、判断基準が明確で、同じ操作を繰り返す業務です。
例えば、以下の処理がRPAで自動化することができます。
- システムからCSVを出力する
- Excelへデータを転記する
- 定型帳票を作成する
- ファイル名を変更して所定のフォルダへ保存する
- 複数システム間でデータを転記する
- 定型レポートを作成する
- 指定時間に処理を実行する
- 定型的な印刷を行う
実際に公益財団法人操風会では、岡山旭東病院の「病棟管理日誌の印刷」、岡山リハビリテーション病院の「部門システムからのデータ抽出」にマクロマンを利用しています。
医療機関でRPA導入に失敗しやすい4つのケース
RPAは導入しただけで業務改善が完了するツールではありません。自動化する業務の選定や運用体制が適切でなければ、導入したものの使われなくなるというのはよくある失敗例です。
特に医療機関では、セキュリティを確保しながら現場で継続的に利用できる状態を作ることが重要です。

失敗1:費用やセキュリティだけでRPAツールを選ぶ
RPAのコストはツールにかかる費用だけではありません。
シナリオ作成、担当者の教育、運用・保守などに必要な工数や外注費用も考慮する必要があります。
内製できる体制がある場合は、無料・低価格RPAも選択肢に入りやすくなります。 いない場合はロボットの作成からアウトソースする方が結果的に運用しやすいケースもあります。自院でどこまで内製できるかを含めて比較しましょう。
また、セキュリティは重要ですが、それだけで製品を選ぶと、実際にスクリプトを作成する担当者にとって操作が難しい、対象業務を自動化できない、といった問題が生じることがあります。
自院のセキュリティ要件を満たす候補の中から、操作性や必要な機能、運用負荷なども含めて比較しましょう。
失敗2:最初から複雑な業務を自動化しようとする
RPAは、処理手順や条件分岐をあらかじめ設定できる定型業務に適しています。
一方、担当者がその都度内容を確認して判断する業務や、例外パターンが多い業務では、RPAだけでは自動化できない工程が残ったり、作成するシナリオが複雑になったりする場合があります。
初めてRPAを導入する場合は、手順や判断基準が明確で、一定の頻度で繰り返し発生する業務から対象を選ぶと、自動化の可否を判断しやすく、導入効果も検証しやすくなります。
失敗3:RPAを作成できる担当者が一人しかいない
業務の属人化を解消するためにRPAを導入しても、「そのRPAのスクリプトを作れる人や、運用・保守ができる担当者が一人しかいない」というケースがあります。
この状態では、担当者の異動や退職、休職などによって、エラー発生時の復旧や業務変更に伴うスクリプトの修正ができなくなる可能性があります。 結果として、RPAによって自動化した業務そのものが止まったり、利用されなくなったりする原因になります。
複数人が対応できるようにする、スクリプトの作成・管理ルールや手順を残す、必要に応じて外部支援を利用するなど、特定の担当者が不在でもRPAを継続して運用できる体制を整えておきましょう。
失敗4:導入後の運用・保守方法を決めていない
RPAは”指示した通りに動く”という特性上、操作対象となるシステムの仕様や業務手順が変わった場合、シナリオに都度それを反映しなければ、エラーで停止してしまいます。場合によっては誤ったまま処理されてしまうことも。
そのため、運用・保守を誰が実施するかを決めておきます。
運用・保守はエラーの原因を特定し、再発防止や状況に合わせてシナリオを見直す役割を担うため、シナリオ作成時と同様に院内で対応できる人材が不足している場合は、外部支援の利用も選択肢になります。
医療機関のRPA導入事例|マクロマンで毎日の業務を自動化
公益財団法人操風会では、岡山旭東病院と岡山リハビリテーション病院でマクロマンを活用しています。
1.岡山旭東病院
「病棟管理日誌の印刷」を自動化。
電子カルテを起動し、各病棟の日誌を印刷する処理を毎朝8時・16時に実行しています。従来1回5分、1日合計10分かかっていた作業時間がゼロになりました。
2.岡山リハビリテーション病院
「部門システムからのデータ抽出」を自動化。
部門システムからCSVを出力し、指定フォルダへ保存したうえで、別システムへインポートする処理です。
病院は365日稼働しているため、それまでは毎朝担当者を決めて作業する必要がありましたが、自動化後は特定担当者に依存せず運用できるようになりました。
また、マクロマンを選んだ理由として「無料でありながら有料版に劣らない機能性」「オフライン対応」が挙げられており、医療機関特有のネットワーク制限の中でもオフライン利用できる点が導入理由になっています。
この事例から分かるのは、医療DXが必ずしも大規模な取組から始まるわけではないことです。
毎日5分発生する業務を1つずつなくすことも、医療現場の業務改善です。
詳細は以下記事よりご覧いただけます。
医療機関へのRPA導入を進める6ステップ
初めて医療機関へRPAを導入する場合は、一気に全院展開するより、対象を絞って検証する方法が現実的です。

STEP1:現場の業務を洗い出す
毎日・毎週・毎月発生しているPC作業を整理します。
「時間が長い業務」だけではなく、「5分だが365日発生する業務」なども候補です。
STEP2:扱う情報とセキュリティ条件を整理する
患者情報を扱うか、院内ネットワークだけで完結するか、インターネット通信が必要かなどを確認します。
STEP3:RPA化する業務を決める
処理手順が安定していて、例外が少なく、一定頻度以上で発生する業務を優先します。
STEP4:RPAツールを比較する
価格だけではなく、
「利用形態」
「外部通信」
「管理方法」
「必要な機能」
「サポート」
を比較します。
STEP5:小規模に検証する
1業務、1部署、1台のPCなどから試します。
マクロマンの既存記事でも、RPA導入では大規模な変化を一度に進めず、スモールスタートすることが推奨されています。
STEP6:運用ルールを決めて対象を広げる
成果を確認した後に、
「誰が作るか」
「誰が承認するか」
「誰がエラー対応するか」
「変更時に誰が修正するか」
まで決めてから対象業務を増やしましょう。
大枠の手順をまとめましたが、各ステップであたりやすい壁や注意点があります。以下記事で詳細を解説しています。
結論|医療機関のRPA選定時は、機能だけでなく利用環境まで含めて判断することが重要
医療機関でRPAを導入する際は、製品のセキュリティ機能だけでなく、実際にどのような環境で利用し、誰が管理するのかまで含めて検討する必要があります。確認すべきポイントは、大きく
「RPAツールを選ぶ際に比較したい5項目」
「導入時に医療機関側で設計したい3項目」
の2つに分けられます。
| No. | 区分 | 確認項目 | 主な確認内容 |
|---|---|---|---|
| ① | ツール選定時 | 利用環境 | デスクトップ型、サーバー型、クラウド型など、どの環境で利用するRPAか |
| ② | ツール選定時 | 通信・ネットワーク要件 | インターネット接続が必要か、院内ネットワーク内で利用できるか |
| ③ | ツール選定時 | データの取り扱い | RPAが扱う情報やデータがどこに保存・送信されるか |
| ④ | ツール選定時 | 利用者・権限管理 | 利用者やスクリプトの作成・変更・実行権限をどのように管理できるか |
| ⑤ | ツール選定時 | ログ・証跡 | RPAの実行状況や操作履歴などを確認できるか |
| ⑥ | 導入・運用時 | 端末管理 | RPAを実行する端末をどのように管理するか |
| ⑦ | 導入・運用時 | 障害時の対応 | RPAや関連システムが停止した場合に、業務をどう継続するか |
| ⑧ | 導入・運用時 | 運用・保守体制 |
誰がRPAを運用・保守し、外部へ委託する場合はどこまで任せる か |
①【ツール選定時】利用環境を確認する
RPAには、PCにインストールして利用するデスクトップ型のほか、サーバーを利用するものやクラウドサービスとして提供されるものなどがあります。
利用形態によってシステム構成や管理方法が異なるため、自院の既存システムやセキュリティ方針に合った環境で利用できるかを確認しましょう。
②【ツール選定時】通信・ネットワーク要件を確認する
RPA自体の利用にインターネット接続が必要なのか、院内ネットワーク内で利用できるのかを確認します。
特に外部通信を制限している医療機関では、RPAがどこへ通信するのか、外部のクラウドサービスなどとの接続が必要なのかを把握しておくことが重要です。
なお、オンプレミスとオフラインは同じ意味ではありません。オンプレミスは自院・自組織で管理する設備などにシステムを構築する形態であり、インターネットへ接続する場合もあります。
③【ツール選定時】データの取り扱いを確認する
まず、自動化したい業務でどのような情報を扱うのかを整理しましょう。患者の診療情報などを扱う業務と、機密性の高い情報を扱わない業務では、想定されるリスクや必要なセキュリティ対策が異なります。
RPAを選ぶ際には、処理するデータが端末内だけで扱われるのか、外部サーバーなどへ送信されるのか、どこに保存されるのかを確認することが重要です。
「どのRPAを導入するか」から考えるのではなく、自動化する業務と扱う情報を明確にしたうえで、想定されるリスクと必要な対策を整理し、その条件に合うRPAを選びましょう。
④【ツール選定時】利用者・権限を適切に管理する
RPAは、人が行っていたシステム操作を代わりに実行します。そのため、誰でも自由に利用・変更できる状態にするのではなく、必要な人だけが必要な操作を行えるようにすることが重要です。
製品を比較する際は、誰がRPAを利用できるのか、スクリプトの作成・変更・実行などの権限をどのように管理できるのかを確認しましょう。
⑤【ツール選定時】ログを記録し、RPAの稼働状況を確認できるようにする
RPAは一度設定して終わりではなく、正常に処理できているかを継続的に確認する必要があります。
特に医療情報を扱う業務では、「いつRPAが実行されたか」「正常に完了したか」「エラーが発生していないか」などを後から確認できる状態にしておくことが重要です。
製品選定時には、どのようなログや履歴を取得・確認できるのかも確認しておきましょう。
ここまでの5項目は、RPA製品によって仕様や対応範囲が異なるため、製品選定時に比較したいポイントです。
一方、次の3項目は製品だけで決まるものではありません。自院のシステム環境や業務体制に合わせて、導入・運用方法を設計する必要があります。
⑥【導入・運用時】RPAを実行する端末を適切に管理する
RPAの利用形態にかかわらず、RPAを実行する端末や関連するシステムのセキュリティ対策が必要です。
「ガイドライン第7.0版」では、情報機器やソフトウェア等の管理、マルウェア対策、脆弱性への対応など、システム運用に関する安全管理策が示されています。
そのため、オフライン・オンプレミス・クラウドといった利用形態だけで安全性を判断せず、RPAを実行する端末やOS、ソフトウェアを利用環境に応じて適切に管理することが重要です。
⑦【導入・運用時】障害時にも業務を継続できる方法を決める
システム障害やサイバー攻撃などによって、RPAやRPAが操作するシステムを一時的に利用できなくなる可能性があります。
特に日常業務をRPAに依存している場合は、停止によって必要な業務まで継続できなくならないよう備えておく必要があります。
RPAや関連システムが利用できない場合に、どの業務を優先して継続するのか、手作業へ切り替える場合は誰がどの手順で対応するのかなど、代替手段をあらかじめ決めておきましょう。
厚生労働省も第7.0版とあわせて「サイバー攻撃を想定した事業継続計画(BCP)策定の確認表等」を公開しています。
⑧【導入・運用時】運用・保守体制を決める
RPAを継続して利用するためには、導入後に誰が稼働状況を確認し、エラーや業務変更が発生した際に誰が対応するのかを決めておく必要があります。
院内で内製する場合は、担当者や管理方法を明確にします。一方、スクリプト作成や保守などの一部をベンダーへ委託する場合は、院内で対応する範囲と外部へ任せる範囲を整理し、必要に応じて外部事業者のアクセス範囲や権限も確認しましょう。
医療機関でRPAを定着させるためのポイント
RPAを業務改善につなげるためには、導入後に継続して利用できる仕組みが必要です。
経営層や情報システム担当者だけで進めるのではなく、実際に業務を行う現場を含めて運用することが重要になります。
経営層と現場で導入目的を共有する
経営層が「生産性向上」を目的としていても、現場では「新しい作業が増える」とネガティブに受け取られる可能性があります。何を改善したいのか、RPAによって現場のどの負担を減らしたいのかを具体的に共有しましょう。
現場が自動化したい業務を拾える仕組みを作る
実際に毎日業務を行っている職員だからこそ分かる、小さな定型作業があります。
RPA担当者だけで自動化対象を探すのではなく、現場から「この作業を自動化できないか」と相談できる仕組みを作ることで、対象業務を見つけやすくなります。
内製と外部支援を使い分ける
すべてを院内で内製する方法と、すべてを外部へ任せる方法の二択ではありません。
簡単なシナリオは院内で作成し、難易度の高いものだけ外部の支援を受けるなど、自院の人材や運用体制に応じて使い分けることもできます。
定期的にRPAの利用状況と効果を見直す
導入当初は必要だったRPAでも、業務そのものが変更・廃止される場合があります。
「何本のシナリオを作ったか」だけではなく、現在も利用されているか、どの程度の業務時間を削減できているかなどを定期的に確認し、必要に応じて整理・改善しましょう。
内製化と外部支援はどう使い分ける?
RPAを長期的に利用するのであれば、院内である程度対応できる体制があると運用しやすくなります。
一方、すべてを内製化する必要もありません。
例えば、
内製化が向いている領域
軽微な修正、日々の実行確認、新しい自動化候補の発掘。
外部支援が向いている領域
複雑なスクリプト作成、初期設計、エラー原因調査、全院展開のルール整備、RPA人材育成。
と分ける方法があります。
マクロマンでは、無料プランに加え、有料プランでチャットによるヘルプデスク、初回スクリプト作成支援、オンライン相談などを提供しています。また、「RPA女子」では業務選定、スクリプト作成、運用保守、内製化支援などに対応しています。
「全部外注」か「全部自分たちで作る」かではなく、院内のスキルやリソースに応じて使い分けましょう。
医療機関のRPAツールは「マクロマン」がおすすめ
医療機関でRPAを選ぶ際は、前述した以下の点を自院の要件と照らし合わせて確認することが重要です。
①利用環境
②通信・ネットワーク要件
③データの取り扱い
④利用者・権限管理
⑤ログ・証跡
「マクロマン」は無料プランがあるRPAツールで、13,000社以上の企業や各種団体にダウンロードいただいています。
そのなかでも、医療機関からのダウンロードも多く、450を超えているツールです。(2026年7月時点)
マクロマンの全機能が使えて最初のシナリオをアウトソースできる(※条件あり)、ヘルプデスクつき有料プランもあります。

PCにインストールして利用するデスクトップ型で、ダウンロード後はインターネットに接続せず実行することもできます。実際に医療機関での導入実績もあり、院内でRPAを検討する際の選択肢のひとつです。
PCにインストールして利用するデスクトップ型
マクロマンは、Windows PCにインストールして利用するデスクトップ型RPAです。Web上のものからローカルのものまで幅広く自動化できます。一方で実行中はPCに触れてはいけない(誤作動防止のため)場合があるのがデメリットです。
ダウンロード後はオフラインでも利用可能
マクロマンは、ダウンロード後であればインターネットに接続せずに、オフラインでRPAを実行できます。
初回端末登録についても、オンラインでの登録が難しい場合に利用できるオフライン登録方法が公式に用意されています。
そのため、業務用PCから外部へのインターネット接続を制限している医療機関でも、利用を検討できます。
ただし、Webサイトへの転記など、操作対象そのものがインターネット接続を必要とする場合はオンラインで操作が必要です。
実行ログを記録できる
マクロマンには「ログ記録」コマンドがあり、スクリプトの実行中に任意の内容をログとして記録できます。
たとえば、処理がどこまで進んだのか、特定の処理を実行したのかなどを記録しておくことで、RPAの実行状況を後から確認するために活用できます。
なお、必要となるログ・証跡の内容は医療機関や対象業務によって異なります。自院で求める記録を取得できるかは、実際のスクリプトや運用方法を踏まえて確認しましょう。
医療機関での利用実績
マクロマンは医療機関にダウンロードいただくことも多いです。450以上の医療機関にダウンロードしていただいており、(2026年7月時点)マクロマンを使った業務自動化について、学会で発表をしていただいた事もあります。
無料で実際の環境から試せる
医療機関では、製品の説明だけで自院のシステムや業務に利用できるかを判断するのが難しい場合があります。
マクロマンには無料で利用できるベーシックプランがあるため、実際に自動化したい業務で動作や操作性を確認したうえで、本格的な活用を検討できます。
医療機関に適したRPAは、扱う情報や院内のシステム環境、セキュリティ方針によって異なります。まずは自動化したい業務と必要なセキュリティ要件を整理し、マクロマンが自院の条件に適しているか実際に確認してみてください。
無料ですぐに利用開始
医療機関のRPAに関するよくある質問
医療機関でもRPAは利用できますか?
はい。医療機関でも、データ入力や転記、帳票作成、データ抽出などの定型的なPC業務でRPAを活用できます。実際にマクロマンでも医療機関での導入事例があります。
医療機関でRPAを利用する場合、インターネット接続は必要ですか?
製品によって異なります。インターネット接続を必要としないRPAもあれば、クラウドへの接続を前提とするサービスもあります。また、RPA自体がオフラインで動作できても、操作するWebサービスなどによってインターネット接続が必要になる場合があります。
オフラインで利用できるRPAなら安全ですか?
オフラインで利用できることだけで安全性を判断することはできません。端末管理、利用者・権限管理、マルウェア対策、ログ、運用方法なども含めて検討する必要があります。
RPAで患者の医療情報を扱うことはできますか?
「RPAだから扱える・扱えない」と一律に判断するのではなく、対象となる情報、利用するシステム、RPAの仕様、院内のセキュリティ方針などを確認する必要があります。医療情報を取り扱う場合は、「ガイドライン第7.0版」も確認しましょう。
医療機関ではクラウド型RPAを利用できませんか?
クラウド型だから一律に利用できないということではありません。自院が扱う情報やシステム構成、通信・ネットワーク要件などを確認し、必要な安全管理措置を満たせるかを判断する必要があります。
RPA導入時に厚生労働省のガイドラインを確認する必要がありますか?
医療情報システムを取り扱う医療機関では、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版」を確認することが重要です。厚生労働省は医療機関等に対し、医療情報システムの取り扱いにおいて同ガイドラインを遵守するよう求めています。
医療機関ではどのような業務をRPAで自動化できますか?
データ入力・転記、システムからのデータ抽出、帳票作成、集計など、手順が決まっている定型業務が主な候補です。実際の操風会の事例では、病棟管理日誌の印刷やデータ抽出などが自動化されています。
まとめ|医療機関のRPAはセキュリティと「小さく始めること」の両立が重要
医療機関でRPAを導入する場合、製品の機能だけでセキュリティを判断することはできません。
重要なのは、
「どこでRPAを動かすのか」
「外部へ通信するのか」
「誰が管理するのか」
「止まったときにどうするのか」
まで含めて設計することです。
特にネットワーク制限が厳しい病院では、オフラインで利用可能なデスクトップ型RPAも有力な選択肢になります。
実際に公益財団法人操風会では、オフラインでも利用できることがマクロマン選定理由の一つとなり、病棟管理日誌の印刷や部門システムからのデータ抽出を自動化しています。
まずは定型業務をRPAで切り出し、小さく検証することから始めてみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者
コクー株式会社
ノート編集部
MACROMAN
MACROMANノートは、RPAをはじめ業務効率化に関する情報サイトです。RPAで毎日の業務効率化を後押しするメディアを目指しています。





