RPAで自動化できる業務とは?職種別の業務例やメリット、注意点を解説
目次
この記事のまとめ
RPAの導入によって、さまざまな職種の業務を自動化できます。たとえば、人事職の労働管理や経理職の伝票入力、営業職の見積作成などは、RPAを活用することで効率化を図れる業務のひとつです。パソコンで毎日繰り返し行うルーティンワークに苦労している場合は、RPAの自動化によってその悩みを解決できるかもしれません。
この記事ではRPAで自動化できる職種別の業務例や、導入するメリットについて解説します。RPAが得意な業務と苦手な業務、RPAツールの選定ポイントについても一覧にまとめているので、RPAツール選定の参考にしてください。
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職種別:RPAで自動化できる業務一覧
ここでは、RPAで自動化できる主な業務の例を職種別にご紹介します。なお、以下で触れる職種はRPAで自動化できる業務の一部です。
人事・総務職
■勤怠管理
社員の勤務時間の管理や時間外労働時間の集計、有給休暇の日数確認などの業務は、RPAによる自動化が可能です。また、時間外労働時間が増加した場合にアラートを出す、といった活用方法も考えられます。さらに給与システムと連携することで、時間外手当や通勤手当の計算を自動で行える場合もあります。
■人事情報管理
社員の個人情報の管理も自動化できます。たとえば社員が住所を変更した場合、連動して交通費や各種書類などの変更が必要です。RPAであれば、最小限の入力で関連する情報にも自動的に変更が反映されるように設定できます。
■採用管理
たとえば採用試験の採点業務は、RPAによる自動化が可能です。たとえば、採用活動において多々発生するメールでの各種連絡も自動化できます。具体的には説明会や採用イベントの案内をメールで送るといった業務は、RPAに任せられる可能性が高いです。
■入退社管理
入退社する社員の情報をまとめておけば、RPAが労務業務を行ってくれます。入社時の各種ID作成・権限付与や、退社時のID・権限削除などの業務を自動化可能です。
財務・経理職
■伝票入力
お金の出入りを記録する伝票入力業務は、手入力だと時間がかかるだけでなくミスが生じるリスクがあります。RPAを活用することで、入力自体を自動で行うだけでなく、入力値のチェックを実施することも可能です。
■請求書作成
毎月の請求書作成業務が負担となっている企業は少なくないでしょう。RPAを導入することで、会計システムからのデータ取得・請求書の作成・印刷といった一連の流れを自動化できます。
■経費管理
経費管理もRPAで自動化が可能です。たとえば申請された金額のチェックを、経路検索の実行から最安値の確認までRPAが自動で行えます。
営業・営業アシスタント職
■見積書作成
見積書の記載項目や作成手順の中には共通点が多いものもあり、その場合はRPAによる自動化に適しています。見積書作成は週や月ごとなど頻繁に発生するため、作業が負担となっている企業が少なくありません。RPAによる自動化を実現できれば、大きな稼働削減も期待できるのです。
■売上レポート作成
売上レポートも、フォーマットさえ決まっていれば、RPAによって自動で作成できます。
実際の例でいうと、毎月末の売上確定表の作成時間を大幅に短縮できた企業があります。併せてご覧ください。
ライオンハイジーン株式会社様
ルーチン作業の自動化をRPAツール「マクロマン」で実現。2~3時間かかる業務がわずか5分に
■発注書や申込書の管理
発注書や申込書の管理では、多くのデータ入力作業が生じます。たとえば、発注書や申込書の情報を自社システムに入力する際に、デジタルの発注書や申込書であれば、RPAにより自動で内容を転記でき余計な管理工数がかかりません。また、RPAであれば誤入力を防げるので仕事の品質も向上します。
■顧客情報更新
顧客情報の管理においては、顧客の名前や住所といったさまざまな情報を扱います。これらの情報は定期的な更新が必要ですが、入力項目が共通していればRPAで自動化が可能です。
実際の例でいうと、これまで時間がかかっていた、webサイトからSFAへの転記作業の負担を、RPAによって大幅に軽減し、営業活動の効率化を実現した企業があります。併せてご覧ください。
株式会社ジーニー様
本来業務へ集中できる! マクロマン導入によって営業活動の効率化を実現
マーケティング職
■広告レポート作成・管理
広告レポートは広告運用の結果がまとめられている資料です。フォーマットさえ決まっていれば、広告レポートの作成もRPAで自動化できます。
実際の例でいうと、大手インターネット広告代理店において、広告レポート作成の手間がRPA導入で大幅に改善された企業があります。併せてご覧ください。
大手インターネット広告代理店様
「RPA」×「Excel」×「業界知識」に強みをもつ新サービス「マクロマン」導入による効果について聞いてみました
■自社SEOランキング調査
SEOは検索エンジン最適化を指す言葉です。マーケティング活動においては、SEOランキングの調査が欠かせません。RPAを活用することで、自社のSEOランキングを自動で調査してレポートに転記できます。
■Webサイトのクローリング
時間のかかる競合調査も、RPAであれば効率的に行えます。たとえば以下のようなことが自動化できます。
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なお、以下の記事では業界ごとのRPAの活用例を詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
RPAを業務に導入しよう!業種別の活用シーンをまとめて紹介
この記事では、RPAに向いている業務と向いていない業務、そして業種別の活用シーンを詳しく解説します。業務委託で導入するという選択肢もご紹介するので、ぜひRPA導入を検討する際の参考にしてください。
RPAで自動化することのメリット
RPAによる業務の自動化にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは代表的なメリットを解説します。
業務効率がアップして仕事が楽になる
RPAは定型化できるパソコン業務を人に代わって行いますが、動作スピードが早いうえに、長時間の稼働が可能です。加えて、人間のように疲労や集中力に仕事の能率が左右されることもありません。人の手では途方に暮れてしまうような膨大な量の業務でも、問題なく対処できます。そのため、RPAの導入により業務を自動化できれば、仕事の効率が大幅にアップして、それまで業務を担当していた社員の実務的・心理的負荷を大きく減らすことができるでしょう。
ほかの業務に時間を割ける
反復する簡単な業務をRPAに任せれば、人間はより付加価値の高いコア業務に取り組むことができます。たとえば、さまざまな企画の検討や業務改善プロジェクトの遂行など、よりクリエイティブな業務に注力できるでしょう。ほかにも、商品を配達したり、製品を製造したり、本来であれば一番時間を使いたい業務に向き合える時間が増えるのです。RPAと人間でうまく仕事を分業することによって、企業全体の生産性を高められます。
精度が上がる
人がパソコンの単純作業を続けていくと、疲労が蓄積し集中力が低下します。業務量が多くなればなるほど、ケアレスミスの発生リスクは高まるでしょう。業務上のミスが起こると、修正に時間を割かなければなりません。また、将来的なミス防止のためのチェック工数が増えるなど、余計な手間はさらに増えてしまいます。
一方、RPAはパソコンで動くプログラムなので、人間とは異なり正確な動きを長時間続けられます。指示した内容どおりの動きを高速で精度高く遂行可能なので、RPAの導入によりヒューマンエラーの発生を防止して仕事の精度を向上できるのです。
人件費を削減できる
どんなに単調なパソコン作業であっても、人手で行えば人件費が発生します。毎日繰り返し行われる業務の場合、日々の人件費は軽視できません。
定型化できる単純な業務をRPAによって自動化できれば、その分の人件費を削減することができます。RPAを動かすスクリプトさえ作成できれば、あとはRPAが自動で動いてくれるのです。
人手不足を解消できる
少子高齢化の影響もあり、日本の労働力の中心である生産年齢人口は1990年代をピークに減少傾向が続いています。年々進行する人手不足という問題は、すべての企業にとって避けては通れません。
RPAの導入は、こういった人手不足の解決策にもなります。すべての業務をRPAでカバーできるわけではありませんが、パソコンで行う定型業務などに人材を割り当てずに済むことで、貴重な人材リソースを有効活用できるでしょう。
社員の満足度が向上する
RPAで自動化できる仕事のなかには、やりがいを感じにくく、一方で心理的な負担は大きい仕事が多く含まれます。日々のルーティンワークとしてパソコンの定型業務ばかり行っていることで、仕事への満足度が低下してまう恐れも軽視できません。このような業務をRPAで代行することで、社員のストレスが軽減されます。よりクリエイティブな仕事で評価を受けられれば、社員の仕事へのモチベーション向上が見込めるでしょう。
RPAで自動化する際の注意点
RPAによる自動化をスムーズに開始するには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
すべての業務を自動化できるわけではない
RPAの導入によってすべての業務を自動化できるわけではありません。RPAが苦手としている業務の特徴は以下のとおりです。
- 非定型の業務である
- 人間の判断や思考を必要とする
- 頻繁に仕様変更がある
基本的にRPAは、指示された動きを正確に繰り返し実行します。逆に、判断を伴う業務や手順が変わってしまう業務には適していません。また、プログラムにすると条件分岐が多くなる業務もスクリプト作成に手間がかかるため、RPAで自動化する業務の頻度によっては人間が行った方が効率的な場合があります。そのため、すべての仕事をRPAに任せるのではなく、人間とRPAとを適材適所で登用し業務効率化を図ることが重要です。
自動化の対象となる業務の洗い出しが必要
RPAによる業務効率化を実現させるためには、自動化の対象となる業務の洗い出しが必要です。
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なお、RPAで自動化しやすく効果が出やすい業務の特徴は以下のとおりです。見える化した業務フローと以下の特徴とを照らし合わせて考えてみましょう。
- 定型化できる
- 繰り返し行われる
- デジタル化されている
- 大量のデータ処理が発生する
- パソコンだけで行える
併せて読みたい! これらのほかに注意すべき点をまとめた記事はこちら
適切なRPAツールの選定ポイント
RPAツールは数多くのサービスが登場しています。特徴の異なるRPAツールから最適なサービスを選ぶためには、以下のような選定基準の検討が必要です。選定基準 | RPAツールの選定ポイント |
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価格 | 高価なイメージのあるRPAツールだが、なかには完全無料のサービスもある。初期費用・月額費用・サポート費用などを比較検討しておきたい。 |
サポート体制 | サポート体制が充実しているとRPAツールの導入だけでなく、運用や開発の手助けも得られる場合が目立つ。具体的なサポート内容を確認しておくと、RPAツールでできることが広がる。 |
機能 | RPAツールによって搭載されている機能は異なる。実現したいことが叶う機能がRPAツールに備わっている必要がある。 |
RPAツールのタイプ |
RPAツールは大きく「デスクトップ型」「サーバ型」「クラウド型」の3種類に分類できる。種類ごとにセキュリティや機能のカスタマイズ、管理方法などに違いが生じる。 |
併せて読みたい! RPAの費用は以下で紹介しています
併せて読みたい! RPAツールのタイプについては以下で解説しています。
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この記事の監修者
コクー株式会社
RPA事業部 エバンジェリスト
吉田 将太
RPA事業部の立ち上げとして、営業・RPA開発・研修講師を経て、2023年1月にエバンジェリスト着任。
RPAやRPA以外の技術を使って業務効率化を目的にした様々な開発に携わる。この経験から300名以上の研修講師を務める。